トップ企業の挑戦に想う

トヨタの大実証実験都市「ウーブン・シティ」を取材した。同社グループの前3月期業績は売上高48兆円、営業利益4.7兆円。自動車販売台数で世界トップを走り続け、名実ともに日本を代表する企業だ。富士山麓の実証都市をテストコースとし、他の参画企業とともに新たな価値を創造してモビリティの未来を切り拓くという。

▼初動の住民は数世帯だが、近い将来に現在のフェーズ1エリアで約300人、フェーズ2エリア以降も含めると2000人規模に増える見通し。国内トップ企業ならではの壮大な構想だが、成長の先に未知の領域を探求し続ける姿勢には感銘を覚えた。

▼10月4日の投開票を経て、自民党の新総裁は近日にも国会で内閣総理大臣に選出される可能性が高い。課題山積のわが国だが、足元の物価高対策に取り組みつつ、重要なのはやはり国力や社会保障の源となる経済の成長戦略ではないだろうか。

▼日本は景気低迷を指摘されて久しいが、トヨタをはじめ世界に名を馳せる民間企業は決して少なくない。次期総理には堂々としたリーダーシップを期待したい。