日仏貿易はこのほど、EXPO大阪・関西万博2025イタリアパビリオン公式スポンサー「CONAPI/Mielizia」主催によるトークセッション型セミナーを開催した。
CONAPI(コナピ社)は、イタリア国内600の会員と約10万箱の蜂の巣箱を擁する世界最大の養蜂家協同組合。CONAPI社の有機ハチミツ「Mielizia(ミエリツィア)」は、イタリアを代表するハチミツ・ブランドとして親しまれており、日本では日仏貿易が輸入・販売を手掛けている。
このたび、イタリアを代表する養蜂家協同組合であるCONAPIの経営幹部が来日。ハナバチの送粉者利用のスペシャリストであり、環境保全型農業の普及に努める昆虫学者の光畑雅宏氏を迎え、「持続可能な未来のための不可欠なつながりとしての生物多様性と花粉媒介者(送粉者)」をテーマに、私たちの暮らしに深く関わり、必要不可欠な役割を担っているミツバチについてトークセッションを行った。

当日は、大阪・関西万博イタリア総代表マニオ・ヴァッターニ氏に続き、CONAPI社のMr.Giorgio Baracaniプレジンデントが生物多様性と環境保全に努め、自然の恵みを活かした蜂蜜や蜂産品をイタリアから世界の食卓に届けているCONAPIの取り組みを紹介した。
続いて、昆虫学者で作家のMr.Gianumberto Accinelli氏と光畑氏がトークセッション形式で、ミツバチが生態系に果たす役割を説明した。
光畑氏は「日本には約400種類もの花蜂が存在し、植物の受粉に重要な役割を果たしている。農業の現場において、人工授粉は重労働だが、蜂は受粉だけでなく、トマトや梨のおいしさや栄養成分にも左右することがわかってきた」と最新の研究成果を報告した。
そのうえで、「私どもが暮らす地球は、多くの生き物が複雑なジグソーパズルのように絡み合い、多様な生態系を構成している。生物多様性は気候風土に根付いた食文化の根源であり、豊かな自然を次の世代に受け継いでいかなれければならない」と強調した。

続いて、CONAPIのMrs.Nicoletta Maffiniゼネラルマネージャーが、「Mielizia」の有機ハチミツ製品のラインアップの中から、アカシア、オレンジ、イタリア産栗の3種類について、それぞれの蜜の風味の違いや、おすすめの食べ方を紹介した。
トークセッション後はイタリア館のルーフトップに移動し、チーズやワインとともに、Mieliziaの蜂蜜製品のティスティングを楽しんだ。
大阪・関西万博のイタリア館の屋上庭園には、CONAPI社の協賛でビーホテル(ミツバチの巣箱)が設置されており、生物多様性の重要性を広く発信した。