クラフトティーブランド「aardvark TEA(アードバーク ティー)」の東京初となる直営店が7月7日、東京大学赤門前に開店した。
運営するのは、茶畑の中に作ったテラスを貸し出すサービス「茶の間」を提供するスタートアップ企業のAOBEAT(静岡市)。
2021年創業の同社は、22年に立ち上げたティーブランド「aardvark TEA」のオンラインショップや、静岡市内で同ブランドのスタンド業態「Astand」を運営している。

ブランド名に冠した「aardvark」は「ツチブタ」を意味する英語。代表の辻せりか氏は「1目に1科1属1種しかいないツチブタのようにユニークな存在を目指す」と命名理由を話す。
23年1月には季節のお茶を毎月届けるサブスクリプションサービス「お茶の定期便」をスタート。会員数は1万人を突破し、25年4月の月商は前年同月比で7倍にまで急成長している。
「実店舗がほしい」という会員たちの声が店舗新設の理由となった。出店地には、東京区部の中央で、純喫茶やロースタリーが多く喫茶文化が根づいた文京区本郷を選んだ。

新店舗では、煎茶から紅茶まで多様な茶葉の量り売り(15g〜/税込990円〜)や、茶器・ギフト商品などの販売に加えて、独自開発の「急須ボトル」を持参して茶葉を購入した人が自由に給水して飲み継ぎできる「リーフ・トゥ・ゴー」サービス(1回税込330円)も提供し、新たなお茶文化の定着を図る。
累計販売数2万本を超えた「急須ボトル」は、耐熱100℃、BPAフリー素材の「トライタン」を使用したダブルウォール構造で、日本茶に対応したフィルター付き。日々の扱いやすさを考えて、満水で500mlペットボトル1本と同じ重さになるように設計している。
ファウンダーの片桐優氏はメディア向け発表会で「日本茶は縮小傾向にある厳しいマーケットだが、売り方や商品の作り方次第で経済ベースの成長が可能」とし、「27年に都内一等地でのフラッグシップ店舗開店を目指す」と述べた。

「茶葉が買い叩かれる今の状況は茶農家にとってアンフェアであり、我々は茶葉を高く買うことをポリシーとしている。成長を加速しなければ、日本茶業界および茶農家の生活と生産継続は厳しくなる」と強調した。