ローソン “ふんわり手巻き”で需要喚起 13年ぶり機械刷新、専門店品質へ

ローソンは7月15日から、「手巻おにぎり」シリーズ計7品をリニューアルして全国発売する。製造機械の刷新は13年ぶり。ご飯に圧をかけず粒立ちを保つ新製法でふんわり食感を高め、専門店品質に近づけた。夏休みを前に人の動きが活発になる時期に合わせて、TVCMや店頭訴求にも注力。初週売上は前年比1割増、7月全体では2割増を目指す。

新製法では、ご飯をシート状に成形する工程でローラー圧を抑え、体積比で約3割アップ。包装時の締め付けも緩め、ふんわり感を最大限に引き出した。リニューアル対象は、人気1位の「シーチキンマヨネーズ」(税込181円)や「炙り熟成紅鮭」(同221円)など定番6品と、三島食品のふりかけを使った新商品「ゆかりごはん(しば漬け)」(同192円)の計7品。シーチキンは具材感を高め、紅鮭は直火炙りで香ばしさを向上。このほか明太子やおかかなど、すべての具材で製法を見直した。

手巻きおにぎり刷新

価格は平均で1割程度上昇するが、付加価値を高めて売上向上を図る。デリカ部シニアマーチャンダイザーの内田恵美氏は「“手巻きといえばコンビニ”という時代が長かった。おにぎりが注目を集める今、もう一度手巻きおにぎりに力を入れて選ばれる店舗を目指したい」と語る。

近年、専門店の台頭や“タイパ”志向の高まりを背景に、おにぎりが注目されている。農林水産省によると、直近5年間でおにぎりの消費支出は約1・3倍、専門店の数は約1・7倍に増加。SNS上でも“ふんわり食感”への関心が高まっており、ローソンは23年に「金しゃりおにぎり」で業界初の新成型機を導入。売上が好調に推移したことから、今回売上構成比の3割を占める「手巻おにぎり」シリーズの刷新に至った。