醤油 「うどんスープ」新用途提案 「牡蠣だし醤油」幹への育成促す

ヒガシマル醤油は今期、「『量より質』テーマに、昨年発売60周年を迎えた『うどんスープ』と、新たな柱商品になりつつある『牡蠣だし醤油』の2本柱を強化し、着実に幹へと育てあげる」(岡田信一専務取締役)方針だ。7月2日に開催した懇親会で淺井一昌代表取締役専務、岡田専務、内山賀文執行役員営業本部長、窪園智執行役員営業副本部長・東京支店長が説明した。

今年上半期(1~6月)売上高は、家庭用、業務用ともプラスで推移し、前年同期比101・1%で着地した。「生活防衛意識の高まりやコメ高騰など外部環境が変化する中、売上げは堅調。エリア別では引き続き関東ブロックが大きく伸長し、全体を牽引した」(内山氏)。

カテゴリー別では、醤油カテゴリーは家庭用1ℓパック製品の販促や発注の減少により若干減。一方、フレッシュボトルの「超特選丸大豆うすくち吟旬芳醇」や「牡蠣だし醤油」は各エリアとも堅調推移。家庭内での容器、サイズの使われ方が変化しており、フレッシュボトル容器はより注力する。

業務用カテゴリーは、外食機会の減少や人手不足がユーザー業界で顕著の中、基礎調味料から簡便な複合調味料への移行や大型容器の移行が進む中、大型容器が堅調に推移。関西万博やインバウンド需要の増加で業務用需要に一層注力する。

粉末カテゴリーは、昨年並みの着地。「うどんスープ」6P、関西の8Pは全体を牽引し好調、姉妹品の「カレーうどんスープ」「そばスープ」など麵関連品目は好調を維持。備蓄米や外国産米への味に対する不満もあり、不満解消への提案として「ちょっとぞうすい」や「ちょっとどんぶり」を強化する。

液体カテゴリーは、家庭用業務用ともプラス。昨年新発売した「牡蠣だしぽん酢」は計画通り進捗。女性層を中心に高評価。今後も着実に育成、定着化を図る。業務用は主要商品の「割烹関西白だしつゆ」が堅調推移。外食、中食業界の業謳いが多様化しているので柔軟に対応した提案を進める。

下期は7月1日から粉末製品の価格改定を実施。値上げの影響も想定しているが、「コメ価格高騰の中、麺関連市場の拡大は今後も続くとみられ、引き続き「うどんスープ」を軸に食シーンの継続や、生鮮や素材と連動した用途提案も強化。「『うどんスープ』は周辺商品への波及や素麺など夏物メニュー提案、『牡蠣だし醤油』はつけかけ以外に煮たり焼いたりするなど使い方提案による喫食シーンを拡がりにより伸長につなげる」(窪園氏)。 

「牡蠣だし醤油」
「牡蠣だし醤油」

「牡蠣だし醤油」「牡蠣だしぽん酢」を重点的に商品の付加価値や魅力をSNSや口コミ、消費者からの情報発信も活用しながら発信。単なるつけかけ用途にとどまらず、素材起点や提案を丁寧に実行する。昨年60周年を迎えた「うどんスープ」は、11月から都内の東から始まる全駅28駅にうどんスープのキャラクター「コンちゃん」ポスターを掲出して話題となり、今期もテレビCMや消費者イベントなどを計画している。

なお、前期売上げ高は103・5%と増収増益で着地。特に東日本(名古屋以東)が比較的好調推移。コストアップも要因も厳しい環境下だったが、収益もプラスとなり増収増益。醤油カテゴリーは、薄口の1ℓパックが販促の減少等で苦戦したが、定番商品の付加価値型商品が東日本中心に堅調。粉末カテゴリーは、「うどんスープ」発売60周年記念、春秋に消費者キャンペーンを実施。東京・池袋のサンシャインシティでの試食イベント「うどんスープ食堂」には約2800名の来場し好評。コメの高騰要因もあり「カレーうどんスープ」や「そばスープ」など麵関連商材好調。新製品「ちょっとぞうすい梅ひじき」は、ぞうすい製品の活性化に寄与。液体は新商品「牡蠣だしぽん酢」が、新たな食シーン提案品でとして高評価。「牡蠣だし醤油」の相乗効果もあって全体を押し上げた。