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加工食品菓子亀田製菓、「亀田の柿の種」など重点6ブランドを強化 共通課題は「若返り」 40代夫婦のファミリー世帯に照準

亀田製菓、「亀田の柿の種」など重点6ブランドを強化 共通課題は「若返り」 40代夫婦のファミリー世帯に照準

 亀田製菓は今期(3月期)、前期に引き続き「亀田の柿の種」「ハッピーターン」「亀田のつまみ種」「無限シリーズ」「技のこだ割り」「こつぶっこ」の重点6ブランドに集中して強化していく。

 国内米菓事業全体のマーケティング方針について、4月23日、取材に応じた尾関太一郎国内米菓マーケティング部部長は「国内米菓全体に対する生活者のパーセプション(知覚・認識)を変えていきたい。米菓はどうしても60代以上の世代に支えられている商品が多く、少し若い世代に向けて同社の独自価値を上手く伝えて少しでも若返りを図っていきたい」と語る。

 若返りに向けて、ターゲットは小学生から中学生の子どもを持つ40代夫婦のファミリー世帯に照準を合わせる。

「こつぶっこ」(右)「こつぶっこ ハニーバター風味」
「こつぶっこ」(右)「こつぶっこ ハニーバター風味」

 重点6ブランドの中で、絶好調に推移し親子や三世代をつなぐ可能性を大きく見込むのは「こつぶっこ」。インテージSRI+によると「こつぶっこ」の2024年1-12月販売金額は前年比50%増を記録した。

 「もともとお子様への“配り菓子”のニーズに支えられていることから、大人にも食べていただくという発想があまりなかったが、実は大人も多く喫食されていることが判明した。親子、さらには三世代をつなぐようなブランドにしていきたい」と意欲をのぞかせる。

 この考えのもと「こつぶっこ ハニーバター風味」を3月24日から9月末までの期間限定で発売している。

 同商品について「大人向けを非常に意識して、製法も少しこだわり、通常の『こつぶっこ』とは異なり、蜜で味付けをした後にざらめ掛けをするシュガーコーティング製法で甘さを引き立てた」と胸を張る。

「亀田の柿の種 ドライ納豆入り」(25g)
「亀田の柿の種 ドライ納豆入り」(25g)

 「亀田の柿の種」では、他の重点ブランド共通の課題となる若返りに注力。「お父さんのビールのおつまみというイメージが強すぎるため、このイメージを何とか変えるべく、ここ2,3年取り組んでいる」と説明する。

 間口(喫食者層)拡大の一環として、フリーズドライ納豆入りの「亀田の柿の種 ドライ納豆入り」(25g)を4月22日から全国のセブン‐イレブンで発売している。

 おつまみ需要とおやつ需要のうち、おやつ需要の開拓に注力するのは「亀田のつまみ種」。今期、定番2品に加えて、初めて春夏秋冬オールシーズンで季節限定商品を展開していく。「ブランドとしては、依然、おつまみのイメージが強いため、『午後のつまみ種』と季節の商品で、おやつの喫食シーンを含めて食シーンを広げていき、ワクワク感を醸成するようなブランドに育成していきたい」と力を込める。

 一方、「技のこだ割り」では、引き続きアルコールの飲用シーンに寄り添うべく、おつまみ需要の獲得に注力している。

「ハッピーターン」(右)「ハッピーターン スパイス」
「ハッピーターン」(右)「ハッピーターン スパイス」

 「ハッピーターン」は、“幸福の日”である5月29日を“HAPPY TURN’s Day”と制定して話題発信する。4月7日には「ハッピーターンミニ スパイス4連」を新発売した。

 「『ハッピーターン スパイス』は誕生から間もないことから配荷を広げるような活動を進めている。少しでもお客様との接点を演出するため4連など商品を拡充していく」と述べる。

 今期、新展開を検討するのは「無限シリーズ」。前期は、30・40代をターゲットに、人気コンテンツとコラボレーションしたことが成功したが「定番商品として市場に定着させるため、改善策をいろいろと練っているところ」という。

 なお、米菓市場については「価格改定効果で販売金額は増えたが、販売個数は頭打ち、あるいはやや下降傾向にある。販売個数を回復させることは米菓ファンの拡大にもつながるため、販売個数も意識しながら展開していきたい」との考えを示す。

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