三菱商事 三菱食品を完全子会社化へTOB 一体で課題に対処、食品流通強化

三菱商事は8日、三菱食品の完全子会社化を目的とする株式公開買付(TOB)を実施すると発表した。

三菱食品は同日の取締役会で、賛同の意見表明および応募推奨を決議した。TOB成立後、三菱食品は上場廃止となる予定。

三菱商事は三菱食品の株式50.11%を保有している親会社。完全子会社化により、国内外における食品流通事業のさらなる強化・拡大につなげる。

三菱食品では、2月に三菱商事から完全子会社化の提案を受けて独立社外役員で構成する特別委員会を設置して検討を重ねてきた。

8日の決算説明会で、三菱食品の京谷裕社長は「不確実性が高まるなか、スピード感をもって経営の進化・変革を行うことが重要。(三菱商事として)親会社・子会社が独立して上場を維持するよりも、完全子会社化して一体となって課題に立ち向かっていくべきと判断したのだろう」と語った。

そのうえで、今後の取り組みとして「三菱商事グループの経営資源を最大限活用し、スケール感のある施策を実行することで経営目標であるMSビジョン2030の早期達成を目指す」と説明した。

なお、買付価格は4月2日の初回提示から計12回の協議を経て、6か月平均値比28.55%のプレミアムを付けることで7日合意し、TOB実施に至った。買付価格は普通株式1株6340円。期間は9日から6月19日まで。

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