松屋銀座、開店100周年 来年2月まで記念企画

松屋銀座は、5月1日に開店100周年のアニバーサリーイヤーを迎えた。「つなぐ・つながる・つなげる」をテーマとし、来年2月まで多数の記念企画を展開する。

古屋毅彦社長は同日の社員向け祝賀式で「百貨店は人のつながりでできている。100周年を機に改めて多くのつながりに感謝したい」とあいさつ。奈良県の伝統手織物「奈良晒」に社章の「松鶴マーク」を藍で染めたのれん=写真上部=を掲げ、100周年記念冊子を手に来店客を出迎えた。

松屋銀座は、松屋呉服店(当時)の銀座店として関東大震災から20か月後の1925(大正14)年5月1日に開店した。天井のステンドグラスが特徴的な吹き抜けの中央ホールが人気を博したが、国が戦時体制に入って以降、増築の禁止や空襲に伴う火災など幾多の困難に見舞われた。

戦後は日本人が入店できない進駐軍のPX(売店)として45年に接収され、営業を再開できたのは53年。

修復や大増床を経て、78年にコーポレート・アイデンティティを導入してイメージを刷新、店名を「松屋銀座」に変更した。さらに幾度かのアップデートを経て現在に至る。

温故知新ツアーでは松屋ロゴの変遷を辿るレクチャーも
温故知新ツアーでは松屋ロゴの変遷を辿るレクチャーも

記念セレモニーでは石脇聡子店長が「皆さまのお陰で本日を迎えられた。これからも応援していただけるよう気持ちを新たに精進する」と述べ、地元・銀座の関係者らと鏡開きを行い、振舞酒で来店客をもてなした。

記念企画では、銀座の名店がコラボしたコッペパンや和洋菓子など諸育品のほか、アパレルや装飾品まで限定品を幅広く用意。館内を周遊する「温故知新ツアー」やワークショップ、イベントも実施する。「感謝を忘れず、100周年を大きく盛り上げたい」(古屋社長)。