収まらぬ「令和の米騒動」

令和5年産(2023年産)の国産米の不作に端を発した令和の米騒動が続いている。店頭からコメが消えるという事態は解消されつつあるが、収まらないのが価格高騰。高騰した分が農家に還元されるのであれば持続可能な稲作につながりうるため悲観ばかりではないが、百姓一揆の報道をみるとどうやらそうでもないらしい。

▼そもそも主食用米の消費量は長きにわたり減少傾向にあった。1996/97年(1996年7月~97年6月)以降、年によって若干の凸凹ありながらも、食の多様化や洋風化で漸減し、さらに2011/12年以降は人口減少の要因も加わり減少幅が拡大。毎年10万t程度のペースで減り続け2022/23年には691万tにまで落ち込む。

▼ダウントレンドの中、23/24年には705万tに増加。これには、ロシアのウクライナ侵攻によりパンやめん類などが高騰したことが影響し、値頃感からコメの需要が高まったとみられる。

▼消費増に猛暑による不作が重なり需給がタイトな中で起こったのが南海トラフ地震臨時情報によるパニック買い。これが今も尾を引いている。価格が戻り騒動沈静化後に消費量は再び下がりはしないのだろうか。

株式会社アピ 植物性素材