「清酒『獺祭』は日本のプレミアムブランドとして世界の一角を占めたいと考えている。近い将来の当社売上目標は1000億円(24年9月期195億円)。そのスタートラインとして、伊勢丹新宿店(東京都新宿区)でのイベントは大きな意味を持つ」と話すのは旭酒造の桜井博志会長(写真中央左)。2月19~25日の1週間、「挑戦」をテーマに館内4拠点で全30種類の「獺祭」を体感できるイベントを開催する。目玉は人類初の試みとなる「獺祭 MOON―宇宙製造」(1本限定:1億1000万円)だ。「期間中に同店イベントの過去最高売上(約1億2000万円=シャンパンメーカー)を更新したい」(桜井会長)と意気込む。
伊勢丹新宿店が展開する日本独自の文化を世界へ向けて発信する「JAPAN SENSES」キャンペーンのメインとして、同館1階で「獺祭 ザ・ステージ」を展開。イベント開催に際し、桜井一宏社長(同中央右)は「日本のブランドが世界に挑戦していく想いや重要性も伝えられれば。われわれは伝統的な技術の積み重ねをベースに、人が手間をかけて造ることに価値があると考えている」ことを強調した。
会場では中央に「獺祭 MOON―宇宙製造」で使用する醸造装置を展示。今秋にも酒米(山田錦・精米歩合23%)、酵母、麹をロケットで打ち上げ、国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」内で月面の重力(地球の1/6)を再現し、宇宙飛行士が地上の水を注入して発酵がスタート、アルコール度数15%への到達を目指す。順調なら26春に帰還予定。販売は100mlボトル1本限定、価格は1億1000万円。購入希望者が複数の場合は抽選。売上は全額を日本の宇宙開発に寄付する。
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オープニングには宇宙飛行士で著名な野口聡一さん(写真右)が来場。「宇宙空間で酒造りという人類初の挑戦に大変興奮する。今後の取り組みにも関わっていきたい」と期待を寄せた。
イベントでは特別な「獺祭」を多数用意。「最高を超える山田錦プロジェクト」のグランプリ米(60俵3000万円)で醸した「獺祭 Beyond the Beyond 2024」(2300ml:418万円)、日本初販売となる米国酒蔵の最高峰「DASSAI Blue Beyond ―the first step」(720ml:13万2000円)のほか、フラッグシップの「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」は「遠心分離」「早田」「美酔」など製法やコンセプトで多彩な魅力を届ける。
伊勢丹新宿店のレストラン街16店舗では米国産山田錦で仕込んだ「DASSAI Blue Type35」と料理のマリアージュも提供する。
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