長野県と同県園芸特産振興展推進協議会はこのほど、「第68回漬物類品評会」を開いた。
県内の漬物メーカーらが浅漬104品、本漬101品を出品。各品は味、色、香り、歯切れの良さなどの基準で審査され、それぞれ上位11品が表彰された。
審査長は山口光彦長野県農業試験場長、審査員は宮尾茂雄東京家政大学大学院客員教授、松岡寛樹高崎健康福祉大学農学部教授らが務めた。浅漬で最高賞の農林水産大臣賞を受賞したのは「野沢菜漬コンブ味」(山田醸造)。野沢菜漬本来の風味に加え、昆布の味が加わりバランスの良い仕上がりが評価された。
大臣官房長賞は「本醸造醤油野沢菜漬」(やまへい)。関東農政局長賞は「野沢菜たまり漬」(くるまや)。本漬最高賞は、「大根みそ漬」(新進漬物)。従来のみそ漬けとは異なるさらっとした調味液によりみそ床の付着が少ない点や、大根のおいしさを引き出す風味、干し大根特有の歯切れの良さが評価された。続いて、「野沢菜ガパオ」(ダイマツ)、「のりわさび」(万水)が選ばれた。
審査員は、「浅漬のうち野沢菜漬は全般的にハイレベルだったが、中には塩味のバランスや成型に工夫が必要なものもみられた。しかしながら、水産加工品などとのコラボ品のほか、こんにゃくや長野の伝統野菜を使用した製品、ズッキーニを縦割りにスライスし、高齢者も食べやすくするなど、高齢化に対応した製品も印象に残った」と講評。
本漬については、「猛暑の影響で原材料のナス・きゅうりなどの皮が固く、身が柔らかいものが多くみられたものの、下処理や調味の工夫で品質を保つ努力をした点は評価できる。また、辛さを加える新たな試みとしてエスニック風味を採用するなど、新機軸の製品が複数出品された。今後、アイデアのさらなる発展に期待したい」と述べた。