シマダヤは、2024年秋冬シーズンに向け、家庭用チルド麺で「健美麺」や「『時計台』らーめん」など基幹ブランドの価値向上に注力する。また「流水麺」は秋以降も定番化を加速させ、年間商材のポジションを確立したい考えだ。秋冬商品発表会の席上、岡田賢二社長は「当社の強みである品質とブランドをさらにブラッシュアップしていく」と話した。
冒頭、岡田社長は今期スタートした3か年の中期経営計画を説明。2031年の創業100周年に向けた長期ビジョンのスローガンを「Shimadaya Change&Growth100」とし、前半3か年はコア事業の構造変革期に位置付け、家庭用チルド麺と業務用冷凍麺の「深化」と「成長」に挑戦する。
一方、前3月期業績は増収増益で着地。2年連続となる価格改定を実施した環境下、各事業で金額のみならず食数でも伸長した。24年度第1四半期(4~6月)も「流水麺」などが順調に推移。岡田社長は「めん類は食単価がリーズナブルなことに加え、当社ではこれまで注力してきた品質とブランドの強化でロイヤリティが高まっている」と手応えを語った。
秋冬商品は、基幹ブランドの価値向上に重点を置きながら、引き続き健康・簡便・高品質・経済性・国産・買いおき・環境の頭文字をとった「7K」をキーワードに開発、マーケットのさらなる活性化を目指す。
家庭用チルド麺は、和風カテゴリーで「健美麺」ブランドの訴求を強化。「『同』糖質40%カット 本うどん1食」と「『同』糖質30%カット 本そば1食」のパッケージで「食物繊維たっぷり」の表記を追加し、ユーザーの間口拡大を図る。
常温保存可能なロングライフ麺使用の「鍋焼」シリーズとして、「鍋焼 天ぷらうどん」「同きつねうどん」「同カレーうどん」を新発売。国産小麦粉100%の煮崩れしにくい麺に、こだわりのつゆと具材をあわせた。簡便調理に加え、賞味期間100日で買いおき需要にも応える。
中華カテゴリーは「『時計台』らーめん2食」を拡充。「『同』濃厚味噌らーめん」を主軸に、焦がしラードの香りを再現した「『同』濃香醤油らーめん」、蟹の豊かな香りが楽しめる「『同』蟹旨味噌らーめん」を追加、3品体制で市場への浸透を図る。
物価高で経済性が求められる中、「昔なつかしの『本生』ラーメン3食」シリーズは国産小麦100%の麺にリニューアル、パッケージでも大きく訴求する。「醤油味」「味噌味」「タンメン しお味」の3品で、麺のコシもアップした。価格は従来品と同様(税別410円)。
家庭用冷凍麺は、若年層をターゲットに「冷凍『韓国苑』ユッケジャンうどん」を新発売。韓国メニューのユッケジャンをイメージした旨辛スープにもちもち食感のうどんが絡む。具材はもやし、とうふ、牛肉など。パッケージは韓国風を想起させるカラーリングを採用。
業務用冷凍麺は、「アジアンヌードル フォー(国産米粉使用)200〈ミニダブル〉」を投入。タイ産の米粉を使った現行品に比べ、国産米粉とタピオカでんぷんでもちもち食感に仕上げた。ベトナム風料理の汁ものやパッタイに好適。