ファミリーマートは、小児がんのことを世に知らしめ小児がん患者を勇気づける取り組みを強化していく。
成長期に化学療法や放射線治療、手術などの小児がんの治療を受けた子どもたちは、治療後も様々な不調や再発の不安を抱えている。
小児がん治療のことや小児がんについて知ってもらうためにレモネードスタンドを開いたことを綴った榮島四郎さん著の「ぼくはレモネードやさん」(生活の医療社)の絵本が細見研介社長の目にとどまったことが発端となり、昨年から支援活動を展開している。
支援活動は、サステナビリティ活動の柱の1つ多様性の尊重の一環。
7月29日発表した岩崎浩執行役員サステナビリティ推進部長は「小児がんのお子様たちと一緒に商品を開発してそれを販売し、その売上げの一部を小児がんの理解促進のためにお役立ていただく取り組み」と説明する。
昨年、「みんなのレモネードの会」の子どもたちとともに発足した「ファミレモ部」が主体となって、売上の一部を寄付する「みんなのレモネード」を数量限定発売。
今年は、第2弾として「みんなのレモネード ピンクのレモネード」(税込220円)を7月30日から全国のファミリーマートで販売する。
マーケティング本部サステナビリティ推進部の大橋結実子さんは「昨年は特にSNSで大変温かいお言葉をいただきXではトレンドワードにもなった。今年はTVアニメ『僕のヒーローアカデミア』の登場キャラクター『麗日お茶子(うららかおちゃこ)』を起用して、さらに盛り上げていくとともに売場では製造本数を昨年以上に増やしていく」と意欲をのぞかせる。
第2弾は、子どもたちの意見を取り入れて第1弾とは異なるフレーバーに挑んだ。
商品本部東日本地区MDの石田照雄さんは「ピンク色のレモネードを作るにあたり何度も試作を重ねた。国産レモン果汁にグアバ果汁を加え、少し酸っぱさが苦手なお子様でも飲みやすく甘みを感じられるようにして、見た目もかわいらしくした」と振り返る。
共同開発は、20家族34人で構成される商品開発チームと、29家族43人で構成されるデザインチームで進められた。
榮島四郎さんの母親で「みんなのレモネードの会」代表理事の榮島佳子さんは「治療を繰り返す方や、これから治療に入る方もいる中で、素敵なレモネードが作れたことが本人や家族にとっても、とても幸せな時間。昨年は一瞬にして売れ切れて驚き、これをきっかけに我々の活動を知って下さった方が今でも応援して下さっている」と語る。
「みんなのレモネードの会」の結束も強まったという。
「参加できなかった方とも非公開のチャットを通じて交流できとても楽しかった。小児がんの周知や支援以上に、今後の子どもたちの人生で“こんな素敵な経験をした”と糧になると思う」と述べる。