日常的なレモン摂取が血圧の上昇を抑制 ポッカサッポロ、県立広島大学、広島県大崎上島町の5年間の共同研究の結果で判明

 日常的なレモンの摂取が、血圧の上昇を抑制する―――。

 ポッカサッポロフード&ビバレッジが、県立広島大学、広島県大崎上島町と共同で5年にわたる研究を行った結果、冒頭の事実が判明した。

 研究は2018年5月から23年5月までの5年間、大崎上島町の成人男女541人を対象に行われた。

 対象者をレモン介入群とレモン非介入群に分け、レモン介入群は日常的な食生活に加えて1日に1個分のレモン果汁(約30ml)を摂取し、レモン非介入群は日常的な食生活を継続した。年に1回、両群の対象者に対して身体検査等を行った。

 検査では、心臓が収縮して血液を送りだすときに血管壁にかかる収縮期血圧と、血液を送り出した後に再び血液を送ろうと心臓が拡張したときに血管壁にかかる拡張期血圧を測定した。
 その結果、レモン介入群は、非介入群と比べ、収縮期血圧・拡張期血圧ともに、血圧が高くなることを抑制する効果が認められた。

 これまでも、レモン果汁はクエン酸の血管弛緩作用によって、血圧を低下させるとの報告はなされていた。

 今回、5年にわたる長期的な介入研究は初となり、レモン果汁は長期的な摂取においても健康増進に寄与することが確認された。

左から、ポッカサッポロフード&ビバレッジの原料ビジネス推進部の土屋淳一部長、広島県大崎上島町の谷川正芳町長、県立広島大学の飯田忠行教授、ポッカサッポロフード&ビバレッジの研究開発本部基盤技術研究所基礎研究グループの平光正典氏 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
左から、ポッカサッポロフード&ビバレッジの原料ビジネス推進部の土屋淳一部長、広島県大崎上島町の谷川正芳町長、県立広島大学の飯田忠行教授、ポッカサッポロフード&ビバレッジの研究開発本部基盤技術研究所基礎研究グループの平光正典氏

 中性脂肪値と肝機能指標(AST、ALT、γ―GTP)についても、レモン介入群は非介入群に対し、有意ではないものの低い値を示した。そのため、両指標の悪化抑制につながる可能性が確認された。

 今回の研究結果を受け、ポッカサッポロフード&ビバレッジは「これまでの食品等の介入研究では、半年や1年以内の研究が多い中、本研究では大崎上島町の541名の方々のご協力により、5年間にわたりレモン摂取による健康状態への効果を確認する長期観察介入研究を実現することができた。日常的にレモン果汁を摂取していただくことで、血圧上昇の抑制が確認され、健康な状態の維持につながる可能性がある」と期待を寄せる。