京都生協60周年 「時代に合った生協を追求」畑理事長

京都生活協同組合は今年、創立60周年を迎える。畑忠男理事長は13日に開いた決算会見の席上、当時の設立趣意書が「近頃の物価の値上がりを私ども消費者はどう考えたらよいのでしょう」の一文で始まることに触れ、「社会情勢は違うものの、今も同じ状況にある。原点に立ち戻って、時代に合った生協を追求する節目の年にしたい」と述べた。

京都生協が設立されたのは戦後から19年経った1964年。畑理事長は「当時の組合員たちの多くは戦争を体験していたので、平和でなければ生活がままならないという実感を持っていた」とした上で、「現在も世界各地で対立が起こっている。改めて平和であることの大切さを感じる」と力を込めた。

なお、23年度の供給高は前年比0.5%増の834億9千万円。経常剰余金は39.5%増の22億1千500万円。いずれも予算を上回った。

宅配事業の供給高は新規利用者の獲得などで1%増の573億円。店舗事業の供給高は5%増の253億円。コープ二条駅店を昨年11月にリニューアルオープンし来店人数が前年を上回った。利用金額も前年を超え点数は前年並みを維持した。

今期はエシカル対応商品や産直品、コープ商品の普及を進めるほか、組合員個々に対するアプリを起点とした提案を強化する。供給高は0.8%増を計画。人件費や物件費の拡大、設備投資などにより経常剰余金は39%減を予定する。