三鷹の森ジブリ美術館は、新企画展示「君たちはどう生きるか」の第二部「レイアウト編」を開始した。
同展はスタジオジブリによる長編アニメーション映画「君たちはどう生きるか」のために描かれた手描きの絵を3回に分けて展示する企画の2回目。多くの人が作業に加わるアニメーション制作では、絵コンテに加え、レイアウトが個々のカットの詳細な設計図としての役割を果たす。同企画では選りすぐりのレイアウト206点の実物を展示した。
5月24日に開かれた発表会で安西香月館長は「レイアウトは宮崎駿監督が描いたイメージボードと絵コンテを映像に落とし込む第一歩の作業。作品として展示したことで、『監督の頭の中にある映像をいかに的確に上映される映像に描き換えられるか』という制作スタッフの熱意が身に迫るように思えた」とコメント。
協賛企業を代表して日清製粉グループ本社広報部の安達令子部長は「この企画展示は映画本編と同様、世界的に注目されている。大変内容が濃く、期待を裏切ることはない。多くのファンに映画の追体験と感動を与えることになるだろう」と喜んだ。
企画・監修した宮崎吾朗氏は「現場の苦闘の始まりがレイアウトといえる。原画マンが描いたレイアウトは監督や作画監督たちが修正を加えるほか、演出助手や制作スタッフの申し送りが追記されることもある。多くの人の手を経てレイアウトは完成する。絵を描くことは楽しいだけではなく、大変なことでもあると伝えたい。レイアウトに込められた絵の力をご覧いただきたい」と見どころを説明した。
会期は11月10日まで。三鷹の森ジブリ美術館の入場は、日時指定の予約制。