伊藤忠食品の東海エリアにおける取引先で組織する東海藤友会(179社、亀谷伸生会長・味の素名古屋支社長)が5月21日、名古屋観光ホテルで第28回総会を開催した。当日は取引先関係者187人が出席。総会と合わせ、伊藤忠食品の今期の全社・地区方針説明が行われた。
冒頭あいさつで亀谷会長は、好調業績を収める伊藤忠食品をさらに盛り上げ、支えていくことを約束。加えて、「(メーカーとして)われわれ会員企業ができることは、新しい価値の提供。それは新しい食べ方や地元の食材を使ったメニュー、健康価値を訴求した調理方法など、以前からやっている内容にさらに磨きをかけることで実現できると考えている。本日、ここには多くの素晴らしい商品をもつ会員企業がたくさんいる。伊藤忠食品さまにはその豊富な情報、知見をもって、それらを結びつけるコーディネート役をぜひともお願いしたい」と述べた。
議事などに続き、伊藤忠食品・岡本均社長が登壇。「われわれの根本的な戦略は、業界全体のエコシステムの構築。製配販の各社、各層が消費者に想いを馳せ、知恵を絞り、そのアイデアを具現化し、実行で得られた経験を新たな価値創造につなげていく。この循環を目指したいと強く願っている。日本の食料を支える各企業の叡智を様々に組み合わせることによって、日本の食生活のイノベーション、あるいはトレンドを創出しつづけ、食品業界をもっと活性化し、もっと魅力的にしていきたいと思う」と語った。
全社重点施策に関しては、福嶋義弘取締役が物流事業とセットアップアソート事業について、星利夫リテール本部本部長はリテールメディア事業について、それぞれ現在の取り組み状況やその成果を報告した。
佐藤太一本部長は、東海営業本部の24年度重点施策として「リテールメディア事業の積極的推進と既存卸売事業の取り組み深耕」と「惣菜・低温の拡大と物流改善の取り組み」の2点を挙げた。
リテールメディア事業に関しては、東海営業本部管轄内では前3月期末時点で295店舗・1千台超まで導入が進み、今期末で1千300台を目指すとのこと。これまで着実に地元スーパー(SM)での採用を広げてきたが、今後はSMに加え、「ドラッグストアモデルを提案して、ドラッグチャネルにも積極的にアタックしていく」構え。
物流改善の取り組みでは、6月1日から中京物流センターで入荷予約システムが本稼働。パレット単位の発注で検品作業の簡素化も推し進め、入荷待機時間や納品時間の削減につなげる。また、車両単位発注の拡大や工場直送の拡大による物流コスト削減にも継続して取り組んでいくとした。