青梅が5月終盤から市場に出回り始め、2024年氷糖商戦後半戦が本格化している。しかし、今年の青梅は暖冬や雹被害の影響で令和2(2020)年以来の大不作に。市場への流通量が激減し価格高騰にも見舞われている。青梅の出荷は梅の日(6月6日)のある6月第一週には早くもピークアウトし、シーズン終了は例年より早まる見通し。氷糖商戦は“超短期決戦”の様相を呈しており、過去3年間青梅の豊作に恵まれた氷糖業界は危機感を強めている。
5月末から6月頭にかけ都内スーパーでも青梅が店頭に並び始めたが、例年に比べ物量が少なく小粒なものが多い。500gパックで価格700~800円(和歌山産南高梅)と、梅酒漬けに使用する1㎏ベースでは決して手ごろとは言えない価格設定だ。「(青梅は)来週以降は入荷しません」といった店頭POPもあり、氷糖の催事売場含め今一つ盛り上がりに欠ける展開との印象は拭えない。
全国の梅出荷の約7割を占める和歌山産は、南高で前年比63%.平年比62%、古城で前年比63%.平年比49%と大幅な不作となる見通し。暖冬による着果率の低下とともに、3月20日に発生した雹被害により等級が著しく低下している。全国2位の群馬産も暖冬により平年を下回るほか、北部九州でも前年比30~50%の生産にとどまる予想。全国の梅出荷は令和2年以来の大不作となる見通しだ。
氷糖商戦の成否は、その年の青梅の作柄に大きく左右される。過去3年間、全国の梅出荷は9万5千~1万t超えの豊作に恵まれてきたが、過去に例を見ない青梅流通量の激減に「今年は6月第二週まで青梅がもつかどうか期待できない」「(量販店の)売場撤収が早まるのではないか」など、氷糖メーカー各社は危機感を強めている。
昨年度の氷糖出荷は1万4千223t(前年比3.6%減)。コロナ終息による巣ごもり需要の反動減で2年連続のマイナスとなった。
青梅大不作の逆風下で、2024年氷糖商戦は1万4千tラインの死守に向けた攻防が予想される。