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小売CVSセブン‐イレブン世界戦略 2030年までに30カ国・地域に10万店の展開を計画 毎年2市場への新規参入目指す

セブン‐イレブン世界戦略 2030年までに30カ国・地域に10万店の展開を計画 毎年2市場への新規参入目指す

 セブン‐イレブンは3月現在、20カ国・地域に8万4762店を展開し、これを2030年までに30カ国・地域に10万店へと拡大する。

 この計画達成に向けて実務を行うのは、日本と北米以外のグローバルCVS事業を担う7-Eleven International LLC(7IN)。セブン&アイ・ホールディングスが推進する食を軸足としたグローバルCVS(コンビニ)戦略に即して2022年1月に設立された。

 7INの強みについて、4月23日開催した「IR Day2024」で7INの若林健取締役社長兼CEOは「親会社に、97年の歴史を持つ北米のセブン‐イレブン・インク(SEI)と創業51年を迎える日本のセブン‐イレブン・ジャパン(SEJ)という非常に頼れる2社の強みを余すところなくグローバル事業に活用できる」と説明する。

7INの若林健取締役社長兼CEO
7INの若林健取締役社長兼CEO

 SEJの食の強みとSEIが有するITとDXのノウハウを活用して、新規国への進出加速・既存展開国の支援・戦略的重要市場への投融資――の3つの戦略の柱に磨きをかける。

 2024年4月1日にはオーストラリアでコンビニと燃料小売事業を営む運営会社の全株式の取得を完了。アジア太平洋市場では既存進出市場の事業成長と並行して未進出市場へ参入する。

 次いで欧州を日本・北米・アジア太平洋に続く第4の柱、中南米・アフリカ・中東を第5の柱と位置づけ「現在17の市場を非常に細かく精査しており、その中から毎年2カ国で契約を締結していきたい」という。

 ただし店舗数はやみくもに追わない。
 「質が高くて地域のお客様に愛されるお店を世界の街角に設けていきたい。店舗数はあまり重視しておらず、あくまで中身を重視している」と述べる。

 優先市場の選定プロセスは、政情不安定なエリアをまず除外し、実質GDP成長率や人工成長率などを精査して決めていく。次に行うパートナーの選定では優良企業に対して7INからアプローチしていく。

 「あくまでも我々が優先国を決めて、その国の優先企業に対して我々からアプローチする形をとっている」と語る。

 進出モデルについては、これまで日本と北米以外は、7INが直接経営に関与せずロイヤリティ収入のみを収益源とするローリスク・ローリターンのマスターフランチャイジー契約が主流であったが、今後はジョイントベンチャー設立やM&Aも積極的に推し進める。

 既存展開国では、市場の特性に合わせた戦略で業績格差解消と食のコンビニへの転換を目指す。

 7INの阿部真治取締役兼会長は「地域間の日販格差をなくすことがブランド価値を引き上げるものと考えている」との見方を示す。

 マレーシアでは、弁当や惣菜などのフレッシュフードの新工場を新設してデイリー強化店舗を展開したところ、通常店舗に比べフレッシュフードの構成比が2.3倍、平均日販が1.7倍に拡大。「現在、このやり方をマレーシア全土で展開する方向で進めている」。

 テストキッチンを立ち上げて開発のテコ入れを図っているのはベトナム。
 「ヒーローアイテムと呼んでいるが、1店舗1日20、30個売れることが見えたときに工場で製造するメニューの1つに加えている」という。

 ベトナムでは、ハワイでテスト中の7GT(DXによる業務改革)の導入も予定している。
 オーストラリアは東海岸にフォーカスして出店拡大していく。

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