飲料系飲料「アーモンド・ブリーズ」 導入期から拡大ステージへ 新たな需要の創造目指す ブルーダイヤモンド社に聞く

「アーモンド・ブリーズ」 導入期から拡大ステージへ 新たな需要の創造目指す ブルーダイヤモンド社に聞く

世界最大のアーモンド加工販売会社であるブルーダイヤモンド アーモンド グロワーズ(Blue Diamond Growers社)は、同社のアーモンドミルクブランド「アーモンド・ブリーズ」の国内での製造・販売に関するライセンス契約をこのほどカゴメと締結。9月から製造・販売を開始すると発表した。

両社はいずれも「農家が身近にある会社で、畑や契約農家を大切にする企業姿勢や、品質へのこだわりの想いなどによる考えが一致し、契約に至った」。そこでブルーダイヤモンド アーモンド グロワーズ日本支社の渡邉貴雄日本支社長兼アジア・オセアニアリージョナルマネージャーにアーモンドミルク市場性や日本での方針などを聞いた。

  ◇  ◇

渡邉貴雄支社長
渡邉貴雄支社長

――ブルーダイヤモンド アーモンド グロワーズはどのような会社ですか。

渡邉 ブルーダイヤモンド アーモンド グロワーズ(本社・米国カリフォルニア州)は、世界最大のアーモンド加工販売企業で、契約農家からアーモンドを調達し、加工して世界に供給しており、1910年に農業協同組合として設立されて以来、アーモンド産業の拡大を牽引しています。契約農家は約6千軒あり、当社はその半数の約3千軒と契約。農家の多くがファミリーで経営しており、最近では酪農を辞めてアーモンド栽培に転職するケースもあり、アーモンド農家が増えています。契約農家から収穫されるアーモンドは、米国農務省やカリフォルニア州により栽培方法や生産方法などが厳しく管理され、高品質を保っています。

――世界的なアーモンドミルクの消費はどのようになっていますか。

渡邉 アーモンドミルクの消費量は欧米を中心に世界的に右肩上がりで推移し、ここ10年ほどはアジアでも確実に安定成長を遂げています。国によって程度の差はあるが、欧米では牛乳代替として飲まれ、家庭用や外食にも広がっています。特にアメリカではアーモンドを自国で生産していることもあり、スーパーフードとしてアーモンドが持つカルシウム・食物繊維・たんぱく質・不飽和性脂肪などの栄養素が理解されており、女性だけではなく、男性やスポーツ選手など、幅広い層に楽しまれています。そんなアーモンドから作ったアーモンドミルクは、非常に身近な存在になっています。アジアでは、欧米のようにケチャップやマヨネーズのように、どの家庭の冷蔵庫にも入っているわけではないが、健康飲料や美容飲料的な位置付けで飲まれています。

――日本での消費はいかがですか。

渡邉 日本ではアーモンドが持つビタミンEが美容、ダイエットへの効果が期待できること、牛乳と比べてカロリーが低いことから、主に30~40代の女性を中心に受け入れられています。欧米では6、7年前からカフェなど外食にも広がり日本でも3年ほど前から有力カフェチェーンのメニューに導入されました。

――「アーモンド・ブリーズ」の概況は。

渡邉 「アーモンド・ブリーズ」のシェアは、アメリカでは約4割と断トツです。東南アジアでは韓国やタイがシェア№1を占め、特に韓国では約9割のシェアを握り、アーモンドミルク=「アーモンド・ブリーズ」と欠かせない存在です。

――日本での「アーモンド・ブリーズ」の展開は。

渡邉 「アーモンド・ブリーズ」は、日本に進出して今年で11年目になりました。2013年にマルサンアイさんとパートナー契約を締結しましたが、当時、マーケットにはアーモンドミルクそのものが存在せず、認知を広げるためにテレビCMも放映しました。その後、6年前にポッカサッポロフード&ビバレッジさんにパートナーが変わり、店頭施策などを中心にプロモーションを行い、当社の売上も右肩上がりで推移してきました。「アーモンド・ブリーズ」は、今までの導入期から市場拡大を目指すステージに入っており、9月以降はカゴメさんをパートナーとして、新たな拡大を目指したいと思っています。

日本ではアーモンドミルクの飲み方は、まだ定着していません。豆乳は、そのままストレートに飲んだり、料理に使うなど、それぞれの飲み方があり、味覚でもベースができあがっているが、まだアーモンドミルクはそれができていません。今後は、アーモンドミルクの飲み方を提案しながら市場を広げていきたいと思います。

カリフォルニアの広大な農園で生産を行うアーモンド農家
カリフォルニアの広大な農園で生産を行うアーモンド農家

――カゴメとライセンス契約を締結した理由は。

渡邉 9月以降、新たなパートナーになるカゴメさんは、「トマトの会社から野菜の会社に」を長期ビジョンとして掲げ、品質へのこだわりや商品にバリューを追求していこうとする姿勢、製品作りへの想いなどに関して考えが一致。中でも両社とも農家が身近にある会社であり、畑や契約農家を大切にする企業姿勢や、それぞれが地域の農業を持続させながら、需要を盛り上げていこうとする根っこの部分で考えが一致しました。カゴメさんは植物性素材を活用した商品の拡充による成長戦略の一環と位置付けており、トマトから野菜、およびプラントベース視点で次のステージに向かおうとしており、ちょうどタイムリーな時期でもありました。

――日本市場への方針は。

渡邉 「アーモンド・ブリーズ」はアーモンドミルクの本家本元であり、品質面でも世界ナンバーワンだと自負しており、日本でも当然、トップを目指しています。極論すると、冷蔵庫を開けたら牛乳の横に常に「アーモンド・ブリーズ」が並んでいるようにしたいです。しかもヴィーガンなど特定の人向けだけではなく、子どもから大人まで老若男女が楽しめる存在になってほしいと思っています。

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