ミニストップのフラッグシップ店「ミニストップ神田錦町1丁目店」(東京都千代田区)が5月20日、グランドオープンする。
消費の二極化が先鋭化していることを受け、価値志向と価格志向の両面への対応を探るのが目的。
フラッグシップ店の位置づけについて、18日発表した藤本明裕社長は「特別な新店ではなく、フラッグシップ店を新たなラボ(実験店)として成功カセット(成功事例)を水平展開していく」と説明する。
ミニストップは、創業以来、ファストフード(FF)を強みとし、FFにコンビニエンスの要素を融合した“コンボストア”を展開している。
フラッグシップ店では、FFとコンビニエンスそれぞれに磨きをかけ、新たにオンラインサービスを融合させた。
平松恭輔執行役員戦略本部長は「消費の二極化が非常に進んでいる。FFは専門店品質で特に価値軸として商品をご提供できると考えている。コンビニエンスについては、二極化の価格軸の方でお客様のニーズにお応えしなければならない」と語る。
FFでは、できたての商品を専門店品質でスピーディーに提供していくほか、健康志向にも対応。国産野菜のみを使用したスープや野菜が摂れるトルティーヤ・サンドイッチなどを取りそろえる。
コンビニエンス商品は「価格軸というところで食品スーパー型の品揃えとなっている。特に生鮮をラインアップしてショートタイム・ワンストップショッピングを実現した」。
生鮮は農産が約70品、畜産が約30品、水産が約20品の計120品。生鮮の調達は、イオン調達(株)やイオンフードサプライなどイオングループ会社の協力を得て行われる。
フラッグシップ店の取り扱いアイテム数は、既存店の新店と比べ約2割多い約3500品。
このうち「コンビニエンスでも価値を追求できる商品を取りそろえている」とし、価格と価値の両方で支持されているとされるPB「トップバリュ」は1000品以上・3割以上の構成比を占める。
OMO(オフラインとオンラインの融合)の活用では、ECで注文した商品の店頭受け取りや宅配ロッカーへの留め置き、デリバリーやモバイルオーダーの注文などを実現。
この中でクイックコマース(即配)は、今まで取り扱ってなかった即食カテゴリーの拡充のほか、品切れを防止するオペレーション体制の確立を進めていく。
オフィス業務需要などに対応する職域事業は昨年計画通りに拠点を拡大し黒字化。今後、ECと連動してオフィス需要の取り込みを加速させるほか、フラッグシップ店近隣の神田界隈のオフィスへの職域拠点拡大も計画する。
今後、フラッグシップ店を増やすことは基本、計画していない。
「研究開発的な位置づけであり、成功カセットとして他の新店や既存店に移植していく。フラッグシップ店舗と同じ店舗面積80坪程度の物件があれば新店でもこういった店(フラッグシップ店)を出していきたい」との考えを明らかにする。