冷凍食品 昨年は3年ぶり生産減も出荷額は過去最高 価格改定で効果

日本冷凍食品協会調べによると、2023年(1~12月)の冷凍食品国内生産量は154万5千568t、前年比3.3%減だった。マイナスは3年ぶり。うち、家庭用が5.9%減と縮小し、業務用が0.7%減と健闘したことから、後者の比率が3年ぶりに50%を超えた。金額(工場出荷額)は価格改定の効果で7千799億円、2.1%増と4年連続で伸長、前年の過去最高を更新した。

国内生産の調査対象は協会会員351企業(22年358企業)・422工場(同428工場)。

業務用は数量78万8千455t(0.7%減)、金額3千803億円(6.3%増)。コロナ5類移行で一般外食や宿泊関連の需要は高まったものの、一部会員企業の退会や生産の外部委託が影響し、微減にとどまった。「既存会員のみの比較では若干上振れする」(協会)。

家庭用は数量75万7千113t(5.9%減)、金額3千995億円(1.6%減)。長期的な成長トレンドにあったが、数量は9年ぶり、金額は4年ぶりに減少した。物価高の中で実質賃金が伸び悩み、節約志向の高まりで冷凍食品の需要も影響を受けたようだ。また一部会員メーカーの工場火災などもマイナス要因。全体に占める構成比は金額が4年連続で5割超となったが、数量は3年ぶりに50%を下回った。

品目別生産量(大分類)では、9割を占める調理食品が139万835t、3.3%減と全体のトレンドを表す。農産物は1.3%増と前年クリア、水産物と菓子類は減少。

小分類の品目別をみると、1位うどん(構成比13.0%)、2位コロッケ(同10.0%)、3位ギョウザ(同6.3%)、4位炒飯(同5.7%)の順は昨年同様。5位にラーメン類(同4.2%)、6位にハンバーグ(同3.9%)が一つずつ順位を上げ、7位にパスタ(同3.9%)が後退した。8位カツ(同3.5%)、9位たこ焼・お好み焼(同3.2%)、10位ピラフ類(同3.1%)までが上位10品目。

一方、輸入(財務省貿易統計)は冷凍野菜が数量で111万9千589t(2.6%減)にとどまるも、金額は3千422億円(7.8%増)の過去最高で初の3千億円突破となった。品目ではほうれん草1.1%増、えだまめ0.3%増となったが、4割弱を占めるポテトが1.9%減と伸び悩み。主な輸入先のうち中国(構成比約5割)が2.8%増と堅調だった一方、アメリカ(同約25%)は港湾ストライキや値上げの影響で主力のポテトを中心に約1割減少した。

輸入調理冷凍食品の実績は金額1千630億円(1.7%増)と伸びた半面、数量は21万5千230t(7.9%減)と下げ幅が大きい。調査対象の協会会員が33社(前年37社)に減ったこと、海外産から国内産にシフトしたことなどが要因。

協会は「国内生産量」「冷凍野菜輸入量」「調理冷凍食品輸入量」の合計を冷凍食品の「消費量」としているが、23年は288万387t(3.4%減)と3年ぶりにマイナス。人口推計から算出した1人当たりの年間消費量は23.2㎏で、前年(23.9㎏)を若干下回った。金額ベースは1兆2千472億円(3.4%増)。

冷凍食品国内生産量 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)