ファミリーマート店舗の店内に設置されるデジタルサイネージ・メディア「FamilyMartVision」が全国47都道府県・1万店へ設置が完了した。これにより1週間で約6400万人に接触可能なメディアとなり新局面を迎える。
エリア戦略や外部メディアとの連携を組み合わせてファミリーマート経済圏を構築していく。
4月10日の決算会見で細見研介社長は「1日で約1000万人が視聴する店舗メディアを創出し、リテールメディア領域で日本をリードする体制を構築できた。地方で非常に力を持った番組をもつテレビ局、ラジオ局など他社のメディアと連携して地域や地域の特産品の紹介を交えながら、特徴を持ったリテールメディア戦略を展開していきたい」と意欲をのぞかせる。
ファミリーマート公式アプリ「ファミペイ」との連携も強化していく。
「ファミペイ」のダウンロード数は2000万強に上る。
「金融などのサービスを組み合わせて、お客様への接点をさらに強化し、ファミリーマート経済圏を作っていく」と述べる。
ファミリーマートのリテールメディア戦略は、「FamilyMartVision」・「ファミペイ」・店頭販促の3つを連動させて展開。エンタメ情報・アート・ニュースなど来店客が楽しめるコンテンツ(番組)を24時間配信するとともに、効果測定が可視化できる広告サービスを提供している。
「FamilyMartVision」を運営するのは、伊藤忠商事と2021年9月に設立した子会社のゲート・ワンで、小売業者間の購買データを活用したデジタル広告配信事業と広告代理店業を営む関連会社のデータ・ワンと連携して事業展開している。
これまで特定の商品を対象にデジタルサイネージを組み合わせた販促企画を実施したところ同商品の販売が二桁伸長した実例や、放映番組がSNSで話題となり来店者が増加するなど一定の成果をあげている
「FamilyMartVision」の設置店舗数は、22年6月に約3000店舗、23年9月に約7000店舗へと拡大し、このほど前期(2月期)目標の1万店舖を達成した。