国分九州は9日、福岡市で2024年度国分九州方針説明会を開催。今井博臣社長執行役員が九州エリアの経営方針について次の通り説明した。
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2023年度の国分九州の実績は売上高は対前年比4.6%増の1千395億300万円、経常利益は56.3%増の9億700万円の増収増益で着地した。カテゴリー別売上構成比は食品48%、酒類37%、チルド11%、その他4%。加工食品、冷食、酒・ビール類はDSやDgS、フードサービス、業務用酒販業態で売上を伸ばした。フレッシュ・生鮮カテゴリーは120%近くの進捗、水産部門も売上が伸長した。
経営結果におけるポイントは
①コロナ禍5類移行後、業務用市場が復調し酒類の売上が回復
②沖縄エリアをはじめ、九州のインバウンド需要が伸長
③当社営業担当者がメーカー様商品の価格改定への対応に注力。単価アップによる売上増や物流費削減で利益改善につながった
④従来体制の見直しや業務集約や移管コストの削減など業務効率化を推し進めた
⑤フレッシュ・フロチル事業のカテゴリーを強化
フレッシュ事業では青果に加えて昨年度から新たに水産事業の取り組みを強化した。フロチル事業では福岡総合LCでの対応強化で売上が順調に伸長している。
今年度は経常利益11億6千500万円が目標。基本方針として、営業戦略ではお得意先さまの抱える課題を抽出検証し、当社リテールサポート機能を活用した付加価値提案を実践。域外大手資本のM&Aが増えてきており、帳合変更・物流要件・売場変更に柔軟に対応する。
戦略カテゴリー政策は、フレッシュ事業で量販店向けの野菜の店頭売りや小分け対応などの流通加工、原料販売ではメーカーさまをはじめ中食・外食ルートでの拡売や九州産野菜を本州に送る物流構築を図る。水産では鮭、鯖、塩干などの定番商品や季節商材のスポット販売での提案を増やす。原料販売では長崎対馬の漁業協同組合への養殖マグロの餌供給を強化する。低温・フロチル事業では福岡総合LCにおいて低温物流網を構築。チルド・冷食の取り扱いを増やし遠方エリアへの商品供給を拡大する。
戦略ルート政策においてMSCやASC(水産認証)を生かした食材提供や基幹商品の商物流集約、サテライトセンターを活用。給食・介護では今月から高齢者施設への食事宅配会社との取り組みをスタート。既存の全国病院用食材の卸売業との連携と併せて九州全域での温度帯物流網構築とサービス向上に努める。
物流政策では同業卸との共同物流を推進。同一のお得意先さまへのトラック台数を削減し物流拠点を再編、配送・庫内作業の負荷を軽減する。コト売り物流ではメーカーさまの物流委託、幹線物流の活用提案や集荷共配、倉庫保管、流通加工などの当社サービスを通じたお得意先さまへの対応を強化。
値上対応・コストコントロールではメーカーさまとの価格転嫁や物流拠点統合による管理コスト、各支店の業務集約や重複コスト、DX推進による残業代の削減に重きを置く。
地域共創ビジネスでは新たに地域共創課を設置。農福連携では鹿児島障がい者支援センターで生産した野菜を販売につなげるべく、当社が仲介し販路が拡大している。今後は九州全域に広げていく。地域密着卸として五島営業所を拠点に五島うどんの販路拡大を推進。五島の認知度拡大や地域産業の活性化につながっている。SDGsの取り組みでは各エリア支店で食品展示商談会で残ったサンプルなどをフードバンク団体に寄贈。昨年10月に福岡県食品ロス削減優良取組知事表彰を受賞した。