大河ドラマ「光る君へ」が最近の楽しみだ。源氏物語の作者、紫式部が主人公。残虐な場面が少なく、雅やかな宮中の下で繰り広げられる、ドロドロとした駆け引きが面白い。
▼表立った争いを好まない女性の視聴率が高いというのも頷ける。時代劇好きの男性には物足りないだろうが、はなから男性の支持は期待していないのだろう。女性脚本家による女性にフィーチャーした内容に完全に振り切っている。男性も観てくれたらもうけもの、という感覚なのかもしれない。
▼女性目線は商品開発にも採用されていて、最近は地方の中小企業にも浸透を感じる。四国の食品メーカーでは女性だけのチームが携わった、にんにくをしっかりと効かせた商品を昨年発売した。ひと昔前なら男性向けだが、マスクをつける機会が増えて臭いを気にせずに食べられるようになり、若い女性の購入も多い。妻や彼女に勧められて食べたという男性もいて、相乗効果を期待する。
▼消費に影響を及ぼす8割は女性と言われる。女性が買ってクチコミをしたくなるような「女性視点」なくして、ビジネスが成り立たなくなってきているのではないか。