豆腐のトップメーカーである相模屋食料はこのほど、新たに100%出資の子会社を設立し、同子会社において三和豆水庵(茨城県古河市)より同社の豆腐・大豆加工食品製造事業を譲り受ける契約を締結したと発表した。
三和豆水庵は89年創業の豆腐メーカーで、関東を中心に湯葉や豆腐、厚揚げなどの大豆加工品を製造し、地域の供給を担ってきた。しかし、原材料の高騰や販売単価の下落、エネルギーコストの高騰などにより、近年は厳しい経営状況が続いていた。
今回、再建のため三和豆水庵から相模屋食料へ支援要請があり、協議を重ねた結果、地域における豆腐の安定供給、豆腐文化を守ることを目的に、同社の製造事業を譲り受け、相模屋グループの企業として再建を図ることで合意した。
新会社の設立日は2月9日で、従業員の雇用を維持し、社名の変更もない。
グループ会社化した企業の再建で培った支援手法を用いて、三和豆水庵が培ってきた豆腐製造、特に湯葉へのこだわりや技術を発揮できる環境を作り、確実な再建を目指す。国産大豆を使用した豆腐にも力を入れる。
相模屋食料は豆腐業界の再編に向けた取り組みを積極的に進めている。規模やエリアにこだわらず支援を行い、これまでに豆腐メーカー11社が同社グループとなり、事業を継続している。すでに4社が債務超過解消、5社が黒字化。1社が黒字化に向けて取り組みを進めている。