ファミリーマートは24年度も引き続き価格・地域戦略で主力カテゴリーに力を入れる。おむすびは「SPAMむすび」など差別化商品や、20億円の設備投資でふっくら感を追求した「手巻おむすび」シリーズなどを強化する。
パンは「生コッペパン」が起爆剤となり過去10年で最大日商を達成したことから、このほど「生しっとりパン」を発売するなど継続的に話題化を図り、来店動機につなげる。
フライヤー商品の「ファミチキ」は日本の国民食の一つとして認識する外国人も多く、インバウンドを機に大きく伸長している。
今後は「スパイシーチキン」「香ばしチキン」「クリスピーチキン」を加えた4本柱を強化するとともに、育成中の「ファミから」も定番品として定着させる。
「ファミチキ」はデジタルサイネージを活用したコカ・コーラ社とのコラボ施策で併売率が上昇したことから、今後も「意味ある併売」を加速させる。
価格戦略は引続き高・中・低の価格帯でバランスをとる。「高」はプレミアム・ボリューム・コラボなど付加価値商品を拡大する。「中」は「ファミマル」「ファミマ・ザ・シリーズ」など価値ある定番商品を展開。「低」は日用品など価格を抑えた商品を精査し価格高騰による客離れ防止につなげる。
地域の価格感度や嗜好に合わせた戦略も継続する。
2月26日の戦略説明会で島田奈奈執行役員商品本部長は「同じ商品でも地域に合わせた価格帯での展開が必要」と語る。
24年度の商品開発は「気持ちに寄り添った商品」を重視する。
島田氏は今後の消費動向について「昨年のリベンジ消費からポジティブ消費に変化するが、物価高によるネガティブ消費も継続してメリハリ消費が続く」との見方を示す。
1日のなかで気分のアップダウンがあるなか、生活者は少しでも気分よく過ごせるよう工夫して過ごしていることから、主力カテゴリーほかスイーツや冷凍スイーツにも力を入れる。
新たな挑戦として打ち出したアパレル・文房具も一層拡充する。
「春にはボタンダウンシャツやキャップなど、トータルコーディネートできる新商品をいよいよ発売する。文房具はこだわりを持つ人も多く、落合宏理氏デザインのもと、緊急需要ではなく選好品として購入してもらう売場にシフトチェンジしていく」と意欲を示す。