インフォマートは、卸の受注システムや店舗オペレーション管理ツールの拡販などを通じて、外食を含めたフード業界でのDtoDプラットフォームを完成形へと導く。2月20日の事業戦略説明会で中島健社長は「中期経営計画の最終年である2026年中の確立を目指す」と語った。
同社のサービスは1998年、フード業界の新規マッチング向けに開発した「BtoBプラットフォーム商談」の提供からスタートした。2003年には同じくフード業界に向けて「受発注」システムをリリース。10年頃までには一定の企業認知度を得た。
その後、15年に請求書事業を全業界対象で始めると、ユーザーが急速に拡大。コロナ禍でリモートワークが普及した影響もあり、15年には4万社だった利用企業数は23年に100万社を突破した。「受発注」の取引流通総額は23年度44兆円に達し、うちフード業界は2兆円を数える。18年からはDXとフィンテックの協業によるサービスも提供している。
フード業界では今後、受発注システムの事業領域を外食チェーンや給食、ホテルなどに拡大するほか、LINEを活用した卸向け受発注システム「TANOMU」による卸の受注100%デジタル化も進める。
店舗オペレーション管理ツール「V-Manage」の拡販、料金改定とカスタマーサクセスの強化も同時に進め、商流全体をDX化した「完成形」の確立を目指す。
中島社長は「上流へのDX拡大に手応えを感じている」とし、「フード業界と同水準のDXを建設・製造など他の業界にも広げる」とさらなる成長への意欲を示した。
なお、同社の23年12月期業績は売上高133億6千300万円(前年比21.4%増)、営業利益8億3千万円(57.8%増)の増収増益だった。
今期目標は売上高160億8千600万円、営業利益10億円で売上高営業利益率6.2%。中計最終となる26年度の目標は、売上高200億円、営業利益50億円、売上高営業利益率25%を掲げている。