納豆 値上げ後も販売好調 付加価値品で利益改善へ

納豆は昨春、有力メーカーの多くが価格改定を実施したが、値上げ後も販売は好調に推移している。好調継続に向けて引き続き消費者のニーズに対応したい。また、ようやく平均単価が持ち上がったとはいえ、多くのメーカーは適正利益を確保するところまで至っていない。利益に貢献する付加価値品の売場構成比を上げ、市場全体の利益改善につなげたい。

今年度ここまでの販売数量は微減だが、価格改定の影響もあり金額ベースでは6~7%と大幅に増加している。値上げによる販売数量への影響はほぼなく、メーカーの見込みを上回る売れ行きだ。引き続き健康パワーへの期待が感じられるとともに、価格改定が実施されても平均売価はいまだに二ケタというコスパの良さも好調の要因となっている模様だ。

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カテゴリー別ではフレーバーやひきわりが伸長中。また、消費者の低価格ニーズが顕在化しており、店頭売価が比較的低いPBの伸び率が大きい。この市場の中で、有力メーカーのNBの健闘も目立つ。タカノフーズが22年春に発売した「山わさび納豆」がヒット。また、ミツカンの「とろっ豆」がプロモーションの成果もあり、大幅に伸長している。

販売好調を継続するために、ニーズに引き続き応えたい。フレーバーはヘビーユーザーの買い回りニーズを捉えている。このトレンドに応じて、太子食品工業はだし感にこだわった「和だし極小粒」を北海道・東北で発売する。タカノフーズは好調のひきわりをさらに伸ばすべく女性若年層向けの短編アニメを作成。ユーチューブやティーバーで配信する。

業界の継続課題は利益改善だ。売場やメーカーの利益改善に向けて、売価が安定し、利益に貢献する商品の売場構成比を上げたい。例えば、タカノフーズの「すごい納豆 S-903」はそういった商品の一つだ。今月29日に発売されるミツカンの機能性表示食品「納豆効果 腸内ケア」も期待される。付加価値品を増やし、市場全体の利益改善につなげたい。

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