アサヒ飲料「三ツ矢サイダー」メイン容器を低く改良 積載効率アップ トラック台数2割削減へ

 アサヒ飲料は、「三ツ矢」ブランド140周年を機に定番品の容器を新矢羽根ボトルに変更することで輸送効率を改善し、サステナブルなブランドを目指すとともに、周年を記念した新商品を発売するなど“ワクワクと笑顔”を消費者に届ける。

 新矢羽根ボトルが採用されるのは、定番商品の「三ツ矢サイダー」500㎖PET、「三ツ矢サイダーZERO」500㎖PET、「三ツ矢サイダーW」485㎖PETの3種。3月上旬に発売開始される。

 新矢羽根ボトルは、現行容器に比べ容器の高さが6.5㎜低い。これにより、外箱が縮小され、配送時、トラックへの商品積載量が増加する。1台当たりの積載量が増加することでトラックの台数は約2割削減される見通し。

 1月16日、事業説明会で野村和彦取締役兼常務執行役員マーケティング本部長は「『三ツ矢』の一つの提案として、よりサステナブルなブランドにしていく」と語る。

 “ワクワクと笑顔”の提供へ、ブランド生誕140周年を記念した新商品を年間通じて発売する。

140周年を記念した「MITSUYA檸檬CIDER140」㊧と「三ツ矢PREMIUM SWEET」(アサヒ飲料) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
140周年を記念した「MITSUYA檸檬CIDER140」㊧と「三ツ矢PREMIUM SWEET」(アサヒ飲料)

 その先陣を切ったのは1月に新発売した「三ツ矢PREMIUM SWEET」。続いて3月に「MITSUYA 檸檬 CIDER140」を新発売する。

 このうち「MITSUYA 檸檬 CIDER140」については「凍結粉砕レモンエキスを配合して、豊かな香りと果実らしい味わいを同時に実現した」と胸を張る。

 コミュニケーションは「一緒なら、もっと楽しい!」をキーコンセプトに掲げ、消費者との共創型での展開を予定している。

 「3月28日の『三ツ矢の日』で過去最大のイベントの開催を予定している。人気アーティストによる楽曲づくりや参加型のSNS施策も実施予定」という。

 昨年の手応えを受け、夏場にも山場を設けられる予定。

 高橋徹マーケティング本部マーケティング一部炭酸グループグループリーダーは「昨夏に『三ツ矢サイダー』を飲んでもらう仕掛けを多くしたことで、間口が広がり後半からぐっと好調になった。『三ツ矢特濃グレープスカッシュ』や『三ツ矢特濃アップルスカッシュ』をはじめとする『特濃』シリーズも、大人も満足できる炭酸飲料という価値が評価され、ベースが底上げされた」と振り返る。

 今年の最注力アイテムは「三ツ矢サイダー」となる。「『三ツ矢サイダー』本体を飲んでもらうことを中心に活動していく。コンビニチャネルでは期間限定の増量施策も行う」と説明する。

 「三ツ矢」ブランドの24年の販売数量は前年比4.9%減の3千880万ケースを計画。5月1日に大型PETの値上げなどを織り込み売上収益での成長を反映させた数量計画とみられる。

「大人も満足できる炭酸飲料に」 手ごたえを語る高橋徹氏(アサヒ飲料) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「大人も満足できる炭酸飲料に」 手ごたえを語る高橋徹氏(アサヒ飲料)

 計画について、米女太一社長は「『三ツ矢』で大きい比率を占めているのは、大型容器と250㎖缶。これらの容器ミックス(構成比)を収益改善のため変えていく。より利益が生むように少しずつ寄せていく。物量的には少し減りますが、経営構造的には安定の方向に向かう」と述べる。

 なお「三ツ矢」ブランドは、1884年に「平野水」が販売されたことから始まっている。2004年の120周年を機に、「三ツ矢サイダー」は水・香り・製法の「3つの約束」が明文化され、大幅なリニューアルが行われた。2024年にはブランド生誕140周年を迎える。