ローソンは、三菱商事・KDDIとの3社で6日に締結した資本業務提携契約と今後予定するローソンの非公開化により、店舗サービスにデジタルの価値が付与されることになる。資本業務提携は「リアル×デジタル×グリーン」を融合させた新たな生活者価値創出に向けたもの。加えて、KDDIはローソンに対する公開買付けの実施を予定。買付け完了後、三菱商事とKDDIは、ローソンの議決権を50%ずつ保有しローソンの共同経営パートナーとなる。
6日、3社は記者会見を開催。
三菱商事の中西勝也社長は「各社の強みを融合し未来の新たなコンビニの形が可能になる。変化が速い今の時代、異業種が参入してきたときに三菱商事としてローソンの価値をアドオンできるか、食品やデリバリーに追加できることや新たなコンビニの形を考えたとき、デジタルが次につながるという確信があった」と語る。
KDDIの髙橋誠社長も「コンビニは社会インフラとして非常に重要。DXや通信の力を活用いただき、未来のコンビニを実現してほしい」と期待を寄せる。
資本業務提携では、リアルとデジタルの双方の領域で取り組みが検討される。
リアルでは、ローソン店舗での、KDDI商品・サービス(通信関連商材・銀行・保険サービス、ヘルスケアサービス、エンタメサービス、モビリティサービスなど)の取り扱い、auショップでのローソン商品・サービスの取り扱いを予定。
デジタルの取り組みとしては、KDDIとローソンが持つ会員情報連携による国内最大級の顧客データ基盤を活用する。
未来のコンビニ像について、ローソンの竹増貞信社長は「コンビニは通勤や行楽など人が動くときに利用されてきた。今後はリアルだけでなくTechとしても社会貢献する『リアルテックコンビニエンスストア』として進んでいく」と語る。
インフラとしての機能を一層高めていく考えも明らかにする。
KDDIの髙橋社長は「昨年5月に三菱商事から今回の提案があった。ローソンには19年から少額だが出資させていただいていた。竹増社長は非常にビジョナリストで、コンビニの未来像についての話はかねてから聞いていた」と述べる。
今回の動きは、激変する通信サービス業界にも一石を投じる可能性がある。
髙橋社長はとりわけローソンのグローバルでの発展に期待を寄せる。「色々な業界で通信を活用してもらい、一過性だった取引が持続的な取引に代わっていく産業に変化している。コンビニも小売という一過性ではなくそうした持続性を求めていると捉える。そこにはやはりDXやデジタルが必要。シナジーによる利益以上にローソンがグローバルに発展していくために思い切った投資をしてみた」と説明する。