無糖茶飲料、独特の香りで脚光 ストレス解消へ「甘さ」以外の選択肢に支持

無糖茶飲料で独特の香りが感じられる商品が脚光を浴びている。増大傾向にあるとされるストレスを解消するにあたり、甘いドリンク以外の選択肢として、身体に負担なく香りでリフレッシュできるものとして支持が広がっていると思われる。

無糖茶飲料の中で15%程度の最大規模を占める緑茶飲料で、香りに着目したのはアサヒ飲料の「颯(そう)」。

摘採後に時間をかけてわずかに発酵させた茶葉を一部使用して一般的な緑茶飲料とは異なる華やかな香り立ちを実現し、2023年4月に発売開始。発売初年度となる23年4-12月の販売数量は約560万ケースを記録した。

無糖茶飲料のサブカテゴリーで活性化しているのはルイボスティー。コンビニPBのルイボスティーが拡大する中、スーパー・量販店中心に提案を開始し好スタートを切ったのはサントリー食品インターナショナルの「GREEN DA・KA・RA やさしいルイボス」。

トライアル獲得にあたってはブランドの資産や商品名が奏功したという。昨年12月取材に応じた内貴八郎取締役専務執行役員SBFジャパン社長は「ルイボスティーは一般的に独特の香りで飲みづらくクセのある飲み物と思われがちなところを『やさしい』の商品名で払拭し、これまでルイボスティーになかなか手を伸ばされなかった方に手に取っていただけた」と振り返る。

「GREEN DA・KA・RA やさしいルイボス」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「GREEN DA・KA・RA やさしいルイボス」

ルイボスティー非飲用層の飲まない理由を払拭すべく、中味はルイボスとグリーンルイボスの2種の茶葉をブレンドすることで、ルイボスティーらしい豊かな香り立ちと、すっきりとした飲みやすい味に仕立てられている。

広義の無糖茶飲料では、伊藤園の「おいしく大豆イソフラボン 黒豆茶」(500㎖・275㎖PET)が宣伝せずに売れている。

同商品は国産黒豆大豆を100%使用したカロリー・カフェインゼロの黒豆茶飲料。黒豆の皮に含まれる大豆イソフラボンを伊藤園独自の焙煎で抽出して1本(500㎖PET)当たり、大豆イソフラボン7~20㎎が含まれているほか、焙煎した2種の原料を使用して黒豆の香ばしさと自然の甘みも打ち出している。

ポッカサッポロフード&ビバレッジが「TOCHIとCRAFT」ブランドで展開している「北海道コーン茶」も好評を博している。23年は、21年比で2倍以上の着地見込み。

23年10月、取材に応じた同社の安田剛史マーケティング本部ブランドマネジメント部アシスタントマネージャーは「コーンを直火で焙煎し、高温でドリップ抽出することで香ばしく甘い独特の香りを出している。無糖茶飲料市場でのコーン茶のカテゴリーは小規模だが、コーン茶市場は年々大きく伸長している」と語る。