ファミリーマートは、1日発生した能登半島地震への対応として、生活インフラとしての店舗機能回復に向けて現地応援体制を組み多角的な取り組みを展開している。
地震発生直後、同社は北陸3県を中心に約200店が一時休業したものの、発生直後に災害対策本部を立ち上げ迅速な対応に努めた結果、3日には能登以外の店舗で概ね営業を再開した。
その後、本社社員と他地域からの応援を含めて約150人体制で売場回復と営業開始後の運営支援に取り組み、3日に七尾市や志賀町などの休業店舗の復旧を開始、5日には穴水町の一部店舗で営業を再開した。
11日現在、休業店舗は、輪島市8店舗・珠洲市4店舗・能登町3店舗の奥能登地域15店舗。
全国展開しているコンビニチェーンで奥能登地域に店舗を構えるのはファミリーマートのみ。
そのため生活インフラとして果たす役割はひときわ大きいと思われる。奥能登地域は被害が大きく復旧活動は長期にわたる可能性があるが、早期復旧に向け一歩ずつ前進していく。
11日決算説明会に臨んだ細見研介社長は、災害時のコンビニの役割について、飲食の提供に留まらず、人が集い情報をやりとりする役割があることを指摘する。
「コンビニが開いているだけで生活の希望の光が灯るということもある。そういった意味で、地域のライフラインの拠点として、いち早くお店を開けていくということは我々の使命」と語る。
営業再開した店舗では、極力明るい接客を心がけているという。
「非常に困難を極めるわけだが、現地のスタッフも加盟店の方もお客様が来られたときには明るく接している」と述べる。
奥能登地域の現状について、竹下誠一郎経営企画本部経営企画部長は「電気は一部の地域では徐々に回復していると聞いているが、広範囲で断水が続いている。(水道や道路の復旧には)時間がかかると考えている。輪島市・珠洲市・能登町のそれぞれの地域で少しでも店舗が開けられるように人を派遣しながら確認を行っている」と説明する。
停電地域では、社有ハイブリッド車を非常用電源として活用。大型車両の入れない地域に対しては、七尾市をハブとした社有車による物資のピストン輸送を行っている。
営業再開した店舗も支援。
「当社社員がレジ打ちや品出し、トラックなどの到着時間が読めない中での荷受けなどのフォローを随時実施し、被災されたスタッフに少しでも休んでいただくようにしている」という。