食創会「安藤百福賞」 大賞に京大大学院の奥野教授 テーマは「AI・データサイエンスによるウェルビーイングの創造」

「食創会 ~新しい食品の創造・開発を奨める会~」(会長会長=小泉純一郞元内閣総理大臣)は、このほど「第28回安藤百福賞」の「大賞」(副賞:賞金1千万円)に京都大学大学院医学研究科・教授の奥野恭史氏(理化学研究所計算科学研究センター・部門長)を決定した。

最高賞の「大賞」が選ばれたのは15例目。今回の受賞テーマは「AI・データサイエンスによるウェルビーイングの創造」。

奥野氏は、医療や健康に関わるビッグデータや人工知能(AI)、スーパーコンピュータ「富岳」を用いたシミュレーション科学の世界的な研究者。健康診断結果をもとに3年以内の疾病発症率を予測するAIを開発したほか、発症が予測される疾病の個人別の予防方法を提案するAIも開発した。

「優秀賞」(同200万円)には理化学研究所仁科加速器科学研究センターの阿部知子副センター長による「テーラーメイド変異誘発法の開発と食品産業への貢献」、久留米大学の児島将康分子生命科学研究所・教授による「生物の食行動を支配するペプチドホルモンの研究」、女子栄養大学の武見ゆかり教授(副学長)による「日本における栄養学教育の発展と栄養政策への貢献ならびにそれらの国際的発信」の3人、若手研究者や中小企業の開発者を対象とした「発明発見奨励賞」(同100万円)には5人を選出した。表彰式は3月12日に都内のホテルで開催。

食創会は安藤スポーツ・食文化振興財団(理事長=安藤宏基日清食品ホールディングス社長・CEO)が主宰。「安藤百福賞」表彰事業(後援:文部科学省、農林水産省)は1996年から実施している。