コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスは第3四半期(1-9月)、価格改定が順調に進捗したことでケース当たりの納価を改善し増収と利益改善を実現した。
価格改定が順調に進捗した1つ目の要因について、11月10日開催された決算説明会に臨んだコカ・コーラボトラーズジャパンのコスティン・マンドレア執行役員最高営業責任者兼営業本部長は、コカ・コーラ商品の強いブランド力と品揃えを挙げる。
「強いブランドの商品やプレミアム性のある商品を展開することで、お取引先様・消費者の皆様の双方が対価を払ってもいいと感じ下さっている」と語る。
迅速な対応や規律ある営業活動の徹底も価格改定を推し進めた。「お取引先様とコラボレーションしながら価格改定が成功するように実行していった」と振り返る。
プロモーション活動も要因に挙げる。
「夏に向けて“肉にはコーク”といったプロモーションや音楽のプロモーションを実施した。価格改定を進めていく上で、このような活動が不可欠」との見方を示す。
5月1日出荷分から「ジョージア」缶コーヒーや「コカ・コーラ」350ml缶などの缶製品で実施した価格改定についても同様の措置を講じたという。
「『コカ・コーラ』と『ジョージア』の双方でプロモーションを強化したところ、もともとも強いブランドということもあり、価格プレミアムを感じ取って下さるブランドになった。加えて、小型の缶を低価格の買いやすい価格にしたことでも、しっかりと成功を収めることができた」と語る。
自販機ではコカ・コーラ公式アプリ「Coke ON(コークオン)」の積極活用も販売を後押ししている。
コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスの第3四半期連結業績は、人流回復や猛暑などにより販売数量が前年同期比4%増を記録したことに加えて、価格改定によりケース当たりの納価を改善したことで約300億円の利益増加につなげた。
売上収益は8.4%増の6638億2500万円、事業利益は黒字化し計画を上回る58億6700万円を記録した。
想定を上回る増収増益となったことから同社は通期業績予想を上方修正。事業利益は50億円の赤字計画から65億円上乗せして15億円計画へと引き上げ、2024年目標の事業利益の黒字化を前倒しで達成する見込みとなっている。
説明会で冒頭挨拶したカリン・ドラガン社長は「第3四半期までの好調な流れをベースに第4四半期に来年以降の持続的な成長に向けた準備を進めることで通期の黒字化の確実な達成とさらなる基盤強化を図っていく」と意欲をのぞかせる。