伊藤忠食品 サイネージが拡販に貢献 定量・定性両面に期待 岡本社長語る

伊藤忠食品の第2四半期決算は小売業の取引拡大や業務用の回復、物流事業の収入増などにより増収増益となった。10月31日にオンラインで開いた決算説明会において、岡本均社長はアフターコロナ下での消費動向や注力する店頭サイネージの取り組みについて次の通り語った。

昨今の消費環境

コロナ禍の影響がなくなり元に戻ったかというと、そうではない。プラス面もマイナス面も合わせて、今の状態に移ったと考えている。それが新状態と言われるもので、上半期を振り返ると、新状態にそれ相応の対応ができるようになった。

値上げが続いている中で多少の減退感はあるが、抜本的に対策をしなければならないほど家計が厳しくなっているかと言えば、そこまでではない。いかに節約しながら満足感を得られるか。その満足感の部分に協力するのがわれわれの仕事である。サイネージや冷凍食品の「凍眠市場」を活用しながら、ワイズスペンディングな生活を提案し、食を支えていきたい。

サイネージの将来性

卸売業がこうしたリテールメディアを活用したビジネスモデルを根付かせ確立する。今はそういうフェーズにあるととらえている。定量面で言えば、決算への貢献度はそれほどではない。昨年に比べると広告収入は2倍強となったが、それ以上に小売業での消費拡大や拡販に貢献している。

物を運ぶことに事業領域の主体を置いてきた卸問屋が、消費者まで視野に入れた動きをするという定性的な意味合いが大きい。取引の部分でも商談での掘り下げが格段に深まり、それによって今期の結果が出ている。新規と既存の商売拡大に大きく貢献した。

リテールメディア事業は日本においても注目度が高まっているが、ビジネスモデルの確立という意味では黎明期にあると認識している。米国と違い、チェーンが入り乱れる中で横串を刺せる問屋が使うリテールメディア事業には、定量的にも定性的にも将来へ向け大きな期待を持っている。

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