セブン&アイ・ホールディングスは9月1日にイトーヨーカ堂(ヨーカ堂)とヨークを経営統合して、注力する首都圏SST(スーパーストア)事業でシナジーと運営効率の最大化を推進していく。
統合効果について、10月12日、決算説明会に臨んだセブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長は「販管費を大幅に削減し、生産性改善施策により労働分配率を改善させていく」と語る。
今後は、抜本的施策と位置付ける以下の4つの施策を「いよいよ準備は整い全社を挙げて実行に移していく」。
――アパレル事業完全撤退
――首都圏へのフォーカス加速と追加閉鎖
――首都圏事業の統合再編
――戦略投資インフラの整備
第一の施策として、ヨーカ堂が自営で展開している肌着を除く婦人・紳士・子どもの自社製造アパレルから完全に撤退してセブン&アイグループの戦略の軸足となる食品の領域にフォーカスしていく。
現在、「フード&ドラッグ」と称し、強みとする食品に引き続き磨きをかけつつドラッグストアの品揃えを大幅に強化している。
「食品とドラッグ・コスメをシームレスにつなげた売り場にすることで回遊性を高め、食品売り場との相互送客効果を図っていく」との考えを明らかにする。
先行導入している30店舗の上期(2月期)売上は前年比101.8%を記録。「客数についても導入効果が確認できている」という。
2025年度までにヨーカ堂86店舗への導入拡大を予定している。
そのほか成長戦略としてはプロセスセンターやセントラルキッチンなどの戦略投資インフラの活用を挙げる。
これにより「惣菜分野の構成比を高め、より高品質な商品を高頻度で効率的に供給することで売上のみならず荒利の向上を目指していく」。
生産性改善の取り組みとしては、セルフレジの導入を推進。
「お客様のレジ待ちの不便を解消すると同時に、店舗人員を食品の製造や販売強化に充てるなどのリソースの有効活用で店舗生産性の向上を図っていく」。
25年度までにヨーカ堂全店導入を計画している。
導入済みの50店舖については「1人当たり1時間当たりの食品売上が11万6000円と未導入店に比べ生産性が高いことを確認している」と手応えを語る。