マーケティングリサーチ会社のインテージが食品・日用雑貨などを対象に店頭販売価格の値上げを調査したところ、食用油などはピーク時から値下げ基調にあるものの、食パン・そば・うどんなど主食の一部は夏頃から価格が再上昇していることが分かった。
調査は、同社が全国約6千店舗より収集している販売データ、SRI+(全国小売店パネル調査)をもとに実施。
食品で変動が大きいカテゴリーを見ると、食用油は値下がり傾向にある。20年平均との比較(以下同)では、「キャノーラ油」は今年2月の190%をピークに8月以降は170%台に、「サラダ油」は4月の155%から9月は138%に下がった。
主食は夏場以降に価格が再上昇している品目がある。「食パン(1斤)」は6月112%に対して8月120%、「そば」は7月109%に対して9月121%、「うどん」も7月110%に対して9月116%となった。「袋ラーメン」「カップラーメン」なども3年前比で120%超と高止まりが続く。
一方、値上げ幅が大きかったカテゴリーは販売数量への影響も顕著に出ている。スーパーでの実績を見ると、23年9月と21年9月の対比で「キャノーラ油」は41%減と縮小し、逆に「サラダ油」は97%増と対照的な結果が出た。主食では「小麦粉」30%減、「カップラーメン」20%減などが目立つ。「サバ缶」「魚肉ソーセージ」「レギュラーコ―ヒー」なども2割以上減った。「そば」は1%増、「うどん」は8%減と健闘。
同社は「巣ごもり特需の反動や今年9月の猛暑など特殊要因はあるものの、値上げが生活者の購買行動に大きな変化を与えていることは間違いないようだ」としている。