1950年創業の焼き煎餅の老舗・金吾堂製菓(東京都中野区)は前期(9月期)、前々期に引き続き増収を見込み上昇基調にある。今期の秋冬に向けては急拡大を狙わず意欲作2品を投入して着実な成長を目指す。
7月24日、取材に応じた碓田剛士社長は「今の事業規模にプラスアルファした程度の、低重心・筋肉質でやっていきたい。そうすれば品質に必ず跳ね返り、お客様にも喜んでいただける」と語る。
この考えのもと、9月には一部のチャネルで限定販売している「パリッとタイム 韓国のり風味 煎餅」を西日本で順次先行販売した。
「韓国海苔に『かどやの純正ごま油』を加えてバランスよく味付され、小腹満たしにも、お酒のおつまみにも好適」と胸を張る。
11月には、「おすきなひとくち 米と藻塩煎餅 つぶつぶ」のパッケージと中身に磨きをかけて新商品「おすきなひとくち 藻塩と米煎餅」として全国発売する。
同商品については「味わいのご評価が物すごくよく、小売企業さまからも多くの方から『おいしい』といっていただいている。今回、青を基調としたパッケージから白を基調としたデザインに改めたほか、塩加減にこだわり旨味をより引き立たせた」と説明する。
同社では「まじめに、おいしいもの作り」を理念に掲げ、ロングセラー商品の「厚焼」をはじめ、サクサク食感の「ほろほろ焼」、うす焼きの「パリッとタイム」、ひとくちサイズの「おすきなひとくち」などを製造している。
素材・焼き方・調味液を長年追求する中、一番の特徴は生地にあるという。
「すべて基本に忠実で、とにかく生地づくりにはこだわっている」と述べる。
前期は、定番の「厚焼」が好調に推移したほか、「厚焼」以外のシリーズが定番として採用され増収見込みとなっている。
春の新商品「月と米」については「手堅く推移している」という。
春夏は競合商品の攻勢で定番が一部縮小されて6月には落ち込みをみせたものの、トータルではプラスで推移している。