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即席麺 コンビニがシェア回復 PB拡大、割安感が強み

即席麺市場でコンビニの存在感が増している。牽引するのはPBだ。メーカーが2年連続で価格改定を実施した環境下、NBに対する割安感が大きな強みになっている。

昨年6月の価格改定以降、コンビニで販売されるNBカップ麺の売価は希望小売価格に移行した。23年6月の再値上げを経て、レギュラーサイズは税別235~236円、ビッグ・大盛サイズは270~271円に変更。コンビニのPBカップ麺と比較すると、商品によっては店頭で約100円の価格差が生じている。製造はいずれも大手メーカーで、コスパの面ではPBに分がある。

セブン-イレブン・ジャパンは上期(3~8月)のカップラーメン売上が約110%と伸び、うちPBは約140%と拡大。直近の販売数量構成比は5割を超えた。全社で掲げる品揃えの「松」「竹」「梅」対応の中で売れ筋の「セブンプレミアム 蒙古タンメン中本 辛旨味噌」(税別220円)や“安心価格”を訴求する「同 醤油ヌードル」(同138円)などが強さを発揮した。

ファミリーマートのカップ麺販売は約110%で推移。うちPB「ファミマル」はラインアップの拡充で約120%となっている。なかでも税込198円(税別184円)の「ねぎどっさり 豚骨ラーメン」、同150円(同139円)の「海鮮ちゃんぽん」などが寄与。直近は専売商品「マルちゃん 汁なしカレーうどん」がメディア露出するなど話題になった。

ローソンは今期のカップ麺販売がトータル110~115%と伸び、うちPB「エルマルシェ」は平均を大きく上回る売れ行き。特に4月発売の「麺大盛り」2品(「豚コクしょうゆラーメン」「辛みそラーメン」)が計画比約2倍のヒットを飛ばし、全体の活性材料となった。こちらは食べ応えを追求しながらも具材を極力少なくして価格を税込168円(税別156円)に抑えている。

インテージSRI+データでカップ麺の業態別販売構成比(食数ベース)をみると、4~8月のコンビニは24.3%で前年度比0.7%上昇。ドラッグストアの台頭で相対的なシェアは20年度に届かないものの、販売自体は食数102.9%、金額111.1%と復調している。これを支えるのがPBであることは間違いない。

インテージ市場アナリストの木地利光氏は「在宅勤務から出社に回帰する動きが見られる中、簡便な即席麺が支持されたと推察。なかでもコンビニ限定のPBが好調」と解説する。

スーパーPB値上げ本格化

一方、食品スーパーでは今秋を中心にPBカップ麺の価格がレギュラーサイズでおおむね98円(税別、以下同)から108~118円に改定が進んだ。ただし、先行した一部企業は当該PBの販売数量に影響が出ているもよう。

要因は、主要NBの売価(都内大手スーパー)は、定番で178~188円、月間特売で158~168円、日替わり特売で108~128円などと比較的価格差が小さいためと推測される。引き続き双方の売れ行きや売価戦略の先行きが注目される。

カップ麺の業態別構成比

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