ローソンは、カップ麺カテゴリーでプライベートブランド(PB)「エルマルシェ」の販売を大きく伸ばしている。とくに4月発売の「麺大盛り」2品が計画比約2倍のヒット商品となり、売り場全体の活性材料となった。カップ麺を担当する商品本部飲料・加工食品部の妹尾翔マーチャンダイザーは「『麺大盛り』は来期以降に向けてラインアップを増やしていきたい」と意気込む。
カップ麺カテゴリーの上期(3~8月)販売高は110~115%と順調。値頃感のあるPBが大幅増で推移し、ナショナルブランド(NB)は2年連続の価格改定を実施するも数量減の影響は少なく、トータルで値上げ分が上乗せ要因になっている。
PBの「麺大盛り」は、「豚コクしょうゆラーメン」と「辛みそラーメン」の2フレーバー。コンビニのカップ麺ユーザーをメインターゲットに、食べ応えのあるスープとたっぷりの麺をあわせた。具材を極力少なくし、価格を税込168円に抑えている。
4月に新発売した際は、既存のレギュラー品並みの販売数量を見込んでいたが、その約2倍の売れ行きになったため、一時的に販売を休止。7月上旬に販売を再開して以降も好ペースが続く。
ポイントは「視覚的にボリューム感が伝わりやすいバケツ型の大盛りカップを採用」したことだ。妹尾氏は「物価高で節約意識が高まる中、安価で手軽に空腹を満たせる商品価値が支持された」と話す。
タテ型カップ麺の既存レギュラー品も好調。定番で「しょうゆラーメン」「みそラーメン」「担々麺」「きつねうどん」など7品をラインアップ。NBと遜色ない品質でありながら、税込148円の割安感が強みになっている。
23年はレギュラー品で季節感のあるフレーバーを強化。春夏向けに展開した「酸辣湯麺」が好評だったほか、和風の需要が高まる冬場(10~12月)にかけて「肉うどん」「カレーうどん」「鴨だしそば」などを順次発売する予定。
一方、今期はNB商品も販売数量をキープ。「2個購入で100円引き」等の店頭販促が奏功している。妹尾氏は「昨年秋ごろから効果が顕著になっている。直近では1企画で2週間ずつ、月2回のペースで実施。いずれかのNBを対象に、POP等を使って常に販促を展開している状況」とし、「購買単価が下がるものの、まずはコンビニでカップ麺を購入していただくことが重要。購入率や喫食率を下支えできている」と手応えを語る。
また新たなカップ麺ユーザーの開拓にも取り組む。今期は韓国大手メーカーの製品や現地の有名店とタイアップした製品を順次導入。今秋以降は、「ローカルシリーズ」として、日本の各地域に根付いた人気店とのコラボ商品を積極的に投入する方針。