10.5 C
Tokyo
10 C
Osaka
2025 / 12 / 10 水曜日
ログイン
English
加工食品菓子ブルボン、小売業の2つの課題解決へ「プチシリーズ」24種類コーナーを提案 ボール箱並べるだけで楽しい売場を演出

ブルボン、小売業の2つの課題解決へ「プチシリーズ」24種類コーナーを提案 ボール箱並べるだけで楽しい売場を演出

ブルボンは、買上点数の減少と人手不足という2つの課題解決へ「プチシリーズ」24種類コーナーを提案する。

2つの課題について、8月8日発表した井手規秀取締役執行役員営業戦略統括部長兼マーケティング部長は「原材料やエネルギー高騰に伴う値上げの影響で客単価が上がる一方で、買上点数減少の傾向が顕著になっている。その中で、人手不足も深刻化し、限られた人員でいかに効率的な売上げを作るかが非常に重要なポイント」との見方を示す。

その課題解決に「プチシリーズ」が好適な理由としては、100円以下で購入できる菓子が減少する中、1996年の発売当時から80円の希望小売価格で買上点数増への貢献が見込まれる点や、24種類の豊富な品揃えや売場効率がよい点が挙げられる。

売場効率については、ボール箱を活用すれば1箱のスペースで10本の陳列が可能となり、短時間で効率的な売場を作ることができる。

その上「ボール箱の上部をベリベリとはがして並べるだけで楽しい売場が演出できる。ボール箱にはプチクマのキャラクターがデザインされ、全部連動していくと1つのコーナーができるようになっている」という。

「プチシリーズ」で「消費者がわくわくして“また来たい”と思える」売場提案をしていく
「プチシリーズ」で「消費者がわくわくして“また来たい”と思える」売場提案をしていく

同じ定番棚でも「プチシリーズ」は一般的な米菓やスナックと比べて多く陳列できることから、他の菓子類の売場と比較して1回の陳列で3倍以上の販売金額の獲得が見込まれるという。

陳列時間も短縮される。

「販売金額10万円を獲得するまでに必要な陳列・補充時間は『プチシリーズ』が棚1本分で約8分であるのに対し、米菓は棚約3.3本分で約22分、スナックは棚約3.9本分で約34分を要する」と説明する。

シリーズ全体でほぼ同じサイズに揃えている点も強みとする。 

「だいたい半期か四半期ごとに新製品が登場する。既存品と差し替える際、棚替や商品改廃などの作業が簡素化される」と述べる。

売場づくりでは販促物を多彩に用意して、ビスケット・スナック・米菓など24種類の品揃えを強みに「消費者がわくわくして“また来たい”と思える」売場提案をしていく。

ハロウィンなどの催事での売場づくりも提案していく。ハロウィンでは、プチクマのバルーン人形にパンプキンなどの着せ替えパーツなどを用意している。

「ハロウィンの売場は基本的に専用品の売場が非常に多く、その専用品が8月後半から店頭に並びはじめハロウィン直前には無くなりスカスカ状態になる可能性がある。専用品が抜けた後に『プチシリーズ』をハロウィン仕様で展開し、そのままの状態でクリスマスバージョンに変えていくこともできる」と語る。

催事売場でトライアルの顧客を獲得し、その後、定番売場でリピートにつなげるという相乗効果を狙う。

「1本、2本の単品販売では上位7アイテムが売れるのだが、4本298円のバンドル販売では、下位の今までお客様が購入されなかったアイテムも購入することになる。催事でトライアルが起き、リピート購入で自分の推しの商品で定番売場の回転が上がるという仕組み」と述べる。

コミュニケーションは、「ちょうどいいよね♪」をキーメッセージに掲げる。

TVCM・WEB・SNSなどを活用して「24種類ものバラエティ豊かな商品特性をプチアイランドの世界観をベースにタレントのあのちゃんを継続起用し、これまで獲得したファンに加え、若年層へ強くコミュニケーションを図り、次世代プチシリーズファンをしっかり創造していく」(統合企画部広告宣伝企画室の迫井領介氏)。

なお環境負荷低減の取り組みとしては、ブルボンでは鉄道を利用した貨物輸送への取り組みとしてエコレールマーク認定商品を拡大し、プチクマをデザインした貨物鉄道用コンテナを運用している。

関連記事

インタビュー特集

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。