味の素 日米の料理プロが減塩レシピ 「おいしさデザイン」で意見交換

味の素は9月21日、川崎市の味の素グループうま味体験館で、Z世代に向けて「ローソルト(減塩)なおいしさ」を発信している料理インフルエンサー「LOW SALT CLUB(LSC)~うま味DE減塩部」と、シカゴでBtoBビジネスを展開している味の素ヘルス・アンド・ニュートリション・ノースアメリカ社のコーポレート・エグゼクティブ・シェフであるクリストファー・ケトケ氏およびアソシエイト・コーポレート・シェフであるアーロン・アンドリュース氏を招き、「うま味による、おいしさデザイン」をテーマに、日米の「おいしい減塩」について試食を交えて講演やディスカッションを行った。

味の素グローバルコミュニケーション部サイエンスグループの武内茂之氏の司会で進められ、開催に先立ち味の素食品研究所エグゼクティブ・スぺシャリストの川﨑寛也氏(日本料理アカデミー理事)は、

味の素ヘルス・アンド・ニュートリション・ノースアメリカ社のアーロン・アンドリュース氏㊧とクリストファー・ケトケ氏 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
味の素ヘルス・アンド・ニュートリション・ノースアメリカ社のアーロン・アンドリュース氏㊧とクリストファー・ケトケ氏

「うま味とだしのサイエンスとデザイン」をテーマに講演。この中で川﨑氏は、「料理人はお客さんにおいしさで満足感を与えたい、そのソリューションがデザインだ。お客さんに味を感じさせたい(感覚)、そのために何を使うか(成分の構造)、どうやってつくるか(調理)の組み合わせがデザイン。味はないが香りが特徴の素材に、だしのうま味が加わると特徴的な香りが生かされ美味しい料理になる。苦いが香りが特徴的な素材にだしのうま味が加わると適度な苦味をほろ苦いと感じて美味しい料理になる。つまり、だしは素材を超え、これはサステナブルにつながる。おいしさをデザインすることは家庭料理でも応用できる」など発表した。

続いてクリストファー・ケトケ氏は、「おいしさデザイン」についてプレゼン。「アメリカのカルチャーではうま味はあまり知られていない。そこで私はシェフや生活者に対してうま味とMSGを教育している。アメリカで一般的なバーベキュー(BBQ)には伝統的なうま味やうま味に富む食材を考慮していなかった。しかし、うま味を使うとBBQにおけるすべての部分で味が深く、豊かで、複雑になる」など講演した。

LSCのまりえさんは、おいしいローソルトレシピを開発するには「うま味によっておいしさが引き立ちそうな食材を探すこと。塩をたっぷり使ったレシピよりも、うま味をプラスしたレシピのほうがおいしいと感じる」とし、小春さんは「五味のバランスと家族による味わいの評価によりおいしさをデザインしている。味の素を入れた場合や分量など、いくつかのパターンを試作し、家族で試食してもらう。ここ数年は減塩の観点から、なるべく調味料の種類を減らし、味の素で食材の味を引き立て、うま味や味のバランスを補うようにしている」など語った。

日米の料理プロによる減塩料理 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
日米の料理プロによる減塩料理

試食では味の素ヘルス・アンド・ニュートリション・ノースアメリカ社の2人が、シェフ一押しのメニューとして「ビリアタコス」「うま味ごまキャラメルソース」「MSGを活用したピタパン」を調理。LSCメンバー4人も「おいしさデザイン」をテーマに味の素を使ったオリジナルメニューとして「豆腐で作れる!冷やしみたらし団子」「万能すぎる!生姜うま味たれ」「エビとアボガドのワカモレ風」「最高の長芋フライ」を披露し、試食した。

最後に味の素グローバルコミュニケーション部サイエンスグループの門田浩子氏は「うま味をおいしさ要素の一つとして捉え、使いつくし、おいしさをデザインすることが、減塩をはじめとする栄養改善や社会課題の解決にもつながる。今日の体験を生かして今後も連携し、グローバルにウエルビーイングに貢献したい」と語った。