名古屋の老舗駅弁事業者・松浦商店が手掛ける新業態「マツウラベーカリー」の「本店」(名古屋市中村区)が8月8日に開店1周年を迎えた。コロナ禍による駅弁事業の落ち込みをカバーするために乗りだした新規事業のカレーパン専門店で、現在は「本店」のほか名古屋駅の名鉄百貨店とジェイアール名古屋タカシマヤのそれぞれ地下1階に店舗を構える。ラインアップも定番を軸に季節メニューなどを積極投入しているが、今後は冷凍での販売も計画。「新・名古屋土産」への育成を目指し、提供方法にも広がりを持たせていく。
「本店」では、「四代目松浦のキーマカレーぱん」「だし巻きたまご入りカレーぱん」「ザクコロ(ハム&チーズ)」「白玉団子入りあんぱん」の中軸アイテムに加え、「台湾風キーマカレーパン」や「海老タルキーマカレーぱん」などの新定番をラインアップ。
また、5種の野菜(とうもろこし、枝豆、ズッキーニ、かぼちゃ、ミニトマト)と紀州産の梅干しを隠し味にさっぱり仕上げた「キーマカレーパン 夏ベジ(梅風味)」が新たに登場。駅弁をイメージした中具の配置など、独自色を持たせている。
さらに、今春発売し好評だったアイテムをひんやり状態で提供する「冷やしフルーツあんぱん」を期間限定(8/8~14)で販売した。
「弁当屋からのスタートでどうなるか分からなかったが、おかげさまで現在3店舗を構え、皆さまにお買い求めいただき大変感謝している。駅弁のノウハウを生かし、駅弁屋ならではの商品開発を心がけ、唯一無二のカレーパンを目指していきたい」と林浩美商品企画部部長兼MBブランドマネージャー(写真㊤)。
今後の展開について、「店舗は名古屋駅を中心に旅行者、人流の大きなところに出店していければと考えている。商品面では今回の『冷やしフルーツあんぱん』のように、冷凍後に自然解凍で提供するスタイルや、冷凍した商品をレンジアップして食べる真空パック商品の開発を進めている。今後は冷凍での販売方式も広げ、自販機などでの展開も検討していく」とのこと。
土産需要に応えるため、製法やパッケージの見直しなど課題点を一つ一つ解消し、商品のクオリティアップを進めていく。