ファミリーマートは8月1日から発売する「みんなのレモネード」(税込220円)で小児がん患者を支援する。
同商品は、小児がん患者の子どもたちとその家族が一緒につくった国産レモン使用したレモネード。
「みんなのレモネードの会」とともに発足した「ファミレモ部」が主体となって開発した。
パッケージは子どもが考案した2種類を取り揃える。
同商品の売上の一部が「みんなのレモネードの会」へ寄付され、小児がん患者の支援に活用される。
今回の小児がん患者支援は、細見研介社長が、榮島四郎さん著の「ぼくはレモネードやさん」(生活の医療社)の絵本に出会ったことが発端となった。
「ぼくはレモネードやさん」では、3歳のときに小児がんを患った作者の榮島さんが、小児がん治療のことや小児がんについて知ってもらうためにレモネードスタンドを開いたことなどが描かれている。
自身の体験も踏まえ、絵本に描かれた思いや物語に強く共感し深く感銘を受けた細見社長が一冊として社内報や雑誌で紹介し、これに影響を受けた社員からの発案で商品化に至った。
レモネードの企画を発案した商品本部の青木寛さんは「最初のWEB会議でこどもたちが好きなファミリーマートの商品を片手に一人ずつ笑顔で自己紹介してくれた。闘病の合間にファミリーマートのメロンパンを食べるのが楽しみだったというお母様のお話をはじめ、私たちの仕事がこんなにも人の笑顔や生きる力につながっているということを教えていただき胸が詰まった」と語る。
小児がんの啓発活動も応援する。
7月29日には、横浜市西公会堂で「みんなのレモネードの会」主催による、こどもたちによるチャリティコンサート「みんレモサマーフェスティバル」が開催された。
こどもたちによる演奏やダンスのほかに、「ファミレモ部」関係者による制作裏話などを伝え、「みんなのレモネード」を配布。細見社長もこどもたちの応援に駆け付けた。
「みんなのレモネード会」は、小児がん患者家族の立場から“小児がんのことをもっと知ってほしい”“患者や患者家族でつながりたい”との思いから、小児がん啓発活動や患者やその家族との交流会などを開催し2020年4月に一般社団法人となった。
今回のファミリーマートの取り組みについて、小児科専門医の楠木重範さんは「医療の進歩により、小児がんの約80%が治る時代になった。治療を頑張ったこどもたちが、ファミリーマートの商品開発の方々と一緒にチャレンジをするという特別な体験をし、社会にメッセージを発信されることには大きな意味があると思う」とのコメントを寄せる。