セブン-イレブン・ジャパンは、植物性原料や工場野菜を使用した新シリーズ「みらいデリ」の4商品を、7月14日から全国のセブン-イレブン店舗にて発売している。
代替肉と鶏肉をハイブリットさせたナゲットなど、おいしさを最優先に開発した商品を発売して持続可能な社会に貢献していくのが狙い。
7月11日行われた発表会でセブン-イレブン・ジャパンの永松文彦社長は「セブン-イレブンは経済的価値の提供を行うことで成長を続けてきた。50年間で環境が変化するなか、今後は人や地域のためにどう役立っていくかの社会的価値の追求が必要だ」と新シリーズの狙いを説明し、「未来の笑顔に向けた取り組みの第一歩として、社会にとって必要とされるソーシャルグッドな存在になることを目指す」と意欲をのぞかせた。
「みらいデリ」の商品はいずれも、持続可能な原料調達や環境負荷低減を意識した。
「みらいデリ ナゲット(5個入り)」(税別240 円)は、DAIZ(本社・熊本市)が開発したえんどう豆を丸ごと使った植物性プロテインと鶏肉を使用。味の素の「おいしさ設計技術」を活用することで、通常のナゲットに劣らない旨味やおいしさを追求した。
「同 おにぎりツナマヨネーズ」(税別140円)は、マグロの漁獲量減少をうけ、プラントベースプロテインと通常のツナを使用した。特許技術のマスキングで独特なにおいを抑え、繊維感を残す独自製法で本物のツナのような食感に仕上げた。
「同 ロメインレタスの シーザーサラダ」(税別350円)、「同 やわらかほうれん草と ベーコンのサラダ」(税別340円)は、国内農業の人口減少や、良質な原材料を安定的に調達できない状況を受け、舞台ファーム(本社・仙台市)の植物工場野菜を活用した。
えぐみが少ない肉厚な葉野菜を、徹底した定温管理のもとフレッシュなサラダに仕立て、専用ドレッシングでおいしさを最大限に引き出した。
発表会後のトークセッションで味の素の藤江太郎社長は、「大きな社会課題をより多く解決するには、志が重なる部分のある各社がともに熱意高く取り組む必要がある」など協業の背景を説明した。
DAIZの井出剛社長は、「畜肉と植物肉が共存し、畜産が高騰した時に助けとなる新しい食材で、持続可能な社会を目指す」と述べた。
舞台ファームの針生信夫社長は「植物工場をフル活用し生産効率を上げることで、二酸化炭素を減らしながら、食糧や野菜を安定的に作り出す。野菜工場の新たなテクノロジーで共にまい進していきたい」との考えを明らかにした。
一般財団法人日本GAP協会の木内博一理事長は「日本最大の小売りチェーンであるセブン-イレブンに積極的にGAP(農業生産工程管理)基準を導入してもらうことで、未来を担う農業者の志が変わる。農業の生産現場がより成長できる兆しを作ってくれた」など語った。
セブン-イレブンでは21年度からGAP認証の取得を強化しており、23年度の認証比率は当初の9%から41%まで拡大している。