物価上昇による家計負担が増え、割安商品の存在感が高まっている。食品スーパーではPBの取り扱い品目を拡充して、節約志向が強まる消費者の需要を取り込もうとする動きが加速化。2022年度の導入スーパーは全体の75%を上回り、過去最高値に達した。
▼NBでも比較的安価な商品の引き合いが強まり、原材料が高騰するもとで、売れば売るほど製造者の利益は苦しい。この流れのなか、地域性を出した商品開発を強化する中小企業の話を聞く機会があった。「あえてPBを買わない消費者も一定数いる。PB比率が高まるほど差別化につながる」という。
▼PBと一括りにしても、安価なものからプレミアム品まで千差万別。大規模で横串展開をすれば、顧客の囲い込みや利益面のメリットは高いが、店頭が均一化され、地域色が薄れる。地域密着を打ち出す地場スーパーなどでは、NBには地域ブランドを残すケースが増加している。
▼度重なる値上げ交渉が行われているが、成果はまだまだだ。値上げ根拠の精査だけでなく、商品の強みを際立たせ、価値にも注目してもらうことが必要になってくる。