J-オイルミルズは“低負荷”を成長ドライバーに価値提案を加速させる。長持ち機能を有する業務用フライ油「長徳」をはじめ、環境と使い勝手に配慮した紙パック容器の家庭用食用油「スマートグリーンパック」シリーズの提案を強化。環境意識の高まりや、人手不足に苦しむ店舗オペレーションや作業負荷の改善、トータルコスト削減につながる提案活動により付加価値品の拡販を目指す。
23年度の事業方針について、佐藤達也社長は「勝てる製品へのシフト・拡大によるシェアアップと外部環境に応じたマージンコントロールにより、安定的な収益確保を目指す」と語った。
第6期中期経営計画で掲げる「おいしさ×健康×低負荷」を実現する高付加価値製品の取り組みをさらに強化し、「低負荷と強みとする機能性商品や、お客様ニーズに合った製品の拡販を一層進める」方針だ。
コロナ禍からのリベンジ消費が期待される業務用では、「長徳」を中心にユーザーの負荷軽減(低負荷)につながる提案を強化する。独自技術のSUSTEC製法で通常の油よりも長く使える「長徳」シリーズは、使用期間延長によるコスト低減や交換回数の削減による作業負荷の軽減などの機能価値が認められ、汎用油の価格上昇が進む中で着実に販売を伸ばしている。
また、「長徳」シリーズは食用油では初となるカーボンフットプリント(CFP)マークを取得。「長徳」を採用するスーパーの惣菜売場や大手企業の社員食堂では「環境を考えた油で調理しています」とのメッセージを掲示する動きもあり、サステナブルな社会の実現に貢献する製品としての認知が広がり、新規の顧客拡大にもつながっているという。
23年度もこうした取り組みを一層深めることで、コロナ禍からの回復が期待される外食や好調な中食市場で、「長徳」や調理油「JOYL PRO」シリーズなど付加価値製品のプレゼンスをさらに高めていく方針だ。
家庭用では、プラスチック使用量を60%以上削減した紙パック容器の「スマートグリーンパック」シリーズが好調。環境配慮に加え、持ちやすさや収納性などの使い勝手の良さが支持され、量販店での導入・回転とも順調に伸びている。一昨年から販売を開始したプラントベースの世界的ブランド「Violife」シリーズでは、買い求めやすい新容量でPBFチーズのトライアル需要を促進する。
6月の環境月間に向けた取り組みも強化。「スマートグリーンパック」では、製品売上の一部を海洋・河川の保存活動に寄付するJOYLグリーンプロジェクトをスタート。店頭やSNSでの情報発信にも力を入れる。
佐藤社長は「ブランドコミュニケーションを本格化させ、JOYLブランドの一層の普及・浸透を図っていく。当社製品や事業活動を通じて低負荷、ESG経営をさらに推進し、企業価値向上につなげていく」と意気込みを語った。