世界的にも珍しいドリンク 雑穀を飲料化 食物繊維・ビタミンB1&B6が手軽に 雑穀の消費応援へ

ポッカサッポロフード&ビバレッジは3月6日、岩手県産の雑穀を100%使用した「雑穀ミルク~milletmilk~」を新発売した。

同商品の開発の経緯について、取材に応じた武田真一郎マーケティング本部ブランドマネジメント部副部長は「これまで雑穀を飲料にした商品は皆無で、おそらく世界初の唯一無二のドリンク。国産の雑穀は栽培のしやすさに対し、天候や素材の特性上、収穫・供給量にバラつきがあり、需給のギャップが生じてしまう品目もあると伺った。生産者の方の課題感に研究所が着目し、何か協働できないかと考え、当社から岩手県にラブコールを送った」と説明する。

同商品は、岩手県産のたかきび・はとむぎ・いなきびの3種類の雑穀を100%使用した植物性ミルク。乳製品不使用・コレステロールゼロで仕立てられている。

「穀物の香ばしい味わいや、食事のお供として飲みやすいすっきりとした甘さを実現しながら、生産者の方の課題解決につながるような品目をおうかがいして3種の雑穀を選定した」。開発では「味の想像ができない」というハードルを乗り越え、おいしさと雑穀そのもののよさの両立を図るべく試行錯誤を重ねた。

「雑穀の特徴が失われてしまったら、雑穀を飲料化する意味も失われてしまう。ほんのり甘く飲みやすくしながらも、限りなく余計なものを足さないようにした」と語る。

パッケージデザインには、Z世代やミレニアル世代を中心にトレンドとなっているレトロ感を取り入れ、日本の食材・農業を考えるきっかけになってほしいという想いを込めた。「ESG(環境・社会・ガバナンス)にHealth(健康)を加えたH+ESGの方針の中で、S(社会)に対する貢献を目指した商品の一つに位置づけている」。

岩手県からの期待は大きいという。「岩手県庁でサンプリングしていただき、達増拓也知事からは『とてもおいしい』との言葉とともに飲み干していただいた。また、岩手県の有力チェーンさまにもご共感していただき、全店に採用された」と述べる。

岩手県産雑穀は、ひえ・あわ・きび・たかきび・アマランサスの生産量が国内雑穀の76%を占め日本一となっている。同県では、品種の開発や、省力的な栽培方法の開発・普及など、雑穀の生産を積極的に支援している。