日本フードサービス協会(JF)は5月16日、オークラ東京で通常総会を開催した。総会後の記念パーティーには会員企業のトップやメーカー関係者をはじめ、関連省庁の幹部、多数の政治家が駆け付け、コロナ禍からの本格回復が期待される外食産業の発展に期待を込めた。
近藤正樹会長のあいさつ
外食産業はコロナ禍で9兆円の市場を消失し、大きな打撃を受けた。ようやくコロナの出口が見え、外食店にも賑わいが戻ってきた。コロナ禍で外食の機会が失われたが、外食でしか味わえないおいしさ、楽しさの価値が見直され、外食への期待は高まっている。こうした期待に応えるべく、私ども外食産業は品質とサービスに磨きをかけ、お客様の満足度向上に努めていく。
一方で、価格転嫁と人手不足への対応は喫緊の課題。値上げへの対応は各社の経営課題であり正念場を迎えている。節約志向が強まる中で、単なる値上げではなく、付加価値を認めていただける新たなメニューや、SNSなどでの情報発信の工夫も大事だ。物価と賃金の上昇が消費拡大の好循環につながっていくことを期待している。
人手不足も深刻さを増している。人材の確保・定着に向けて各社が労働環境の整備や待遇改善に努めており、DXやテクノロジーを駆使した自動化、省力化、効率化の取り組みも重要になっている。多様な働き方の推進や外国人労働者の受け入れ検討など、外食産業の実情を反映した政府への要望も重ねていく。
SDGsやフードロス、脱炭素の取り組みも進めなければならない。人と地球にやさしい外食産業を目指し本年度も積極的な活動を推進する。